ママのためのぷち心理学
「うちの子、男の子なのに、よその女の子に泣かされたりするんですよ」
と、情けなそうに話すママがいます。
「男の子は男らしく、女の子は女らしく」を当然のことと考えた昔の親ほどではないにしても、ある程度、性別を意識して育てた方がいいのかしらと、悩むママたちが少なくないようです。さて、この問題、どう考えればいいのでしょう?
心理学には、性役割(ジェンダー・ロール)という言葉があります。これは、その国で、あるいはその社会で男性または女性に期待される行動や性格、態度を意味するものです。たとえば、「男の子は強くたくましく」「女の子は優しく可愛く」といった内容が、これまでは日本におけるひとつの性役割だったようですね。子どもたち自身も、通常、3歳頃から「ぼくは男の子」「私は女の子」といった自覚が強まり、「男の子だから」「女の子だから」といった理由づけをするようになります。
「ああ、やっぱりそうなんだ。だったら男の子には、たたかれたら、しっかりたたき返すように言わなきゃ」と早合点するママがいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。実は、この性役割にしばられてしまうと、せっかくの子どもの可能性をせばめることになりかねないのです。子どもは、男か女かという性別のみで簡単に型にはめられるものではありません。性別を超えた、その子なりの素質や関心など、個性があるはずです。得意なこと、興味のあることは、性別によってあらかじめ決まっているわけではありません。また、強い心や優しい心などは、男女どちらにとっても大切なことですね。
このように考えると、男か女かということよりも、むしろ「人間として」大切な行動や態度を教えること、そしてその子の個性を伸ばしてあげることに力を注ぐ方がよいことに気づきますね。価値観の多様化した現代社会においては、とりわけ、こうした育て方が必要となるでしょう。
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