ママのためのぷち心理学
下の子が産まれた日から、ママの関心は、下の子に向かいます。小さなきょうだいの出現を喜んでいた上の子にとって、弟や妹が少しずつ大きくなると、おもちゃやおやつ、ママを奪い合うライバルになることも。これまでは一人っ子として、まわりの大人たちの関心と愛情を一身に浴びていたのに、それらが弟や妹に移ってしまうのを感じると、上の子は、ときには反抗的になったり、下の子に意地悪をして泣かせてしまうことも。そんなとき、「なんで、こんな小さな子をいじめるのよ!」と、ママは頭に来て、上の子が少しにくらしく思えることもあるでしょう。実際、「下の子はかわいいのに、上の子がかわいく思えない」という悩みを漏らすママもいます。なぜ、こんなことが起こるのでしょうか? 原因はいろいろあるかもしれませんが、ひとつには、心理学でいう「ベビーシェマ」が関係していると思われます。
ベビーシェマとは、幼い子に特有の顔かたちの特徴です。つまり、体に対して頭が大きく、目や鼻や口が顔の低い位置についていて、ほっぺがぷっくり、手足が短く体型もぷっくりといった外観です。私たちは、こうした特徴を備えた幼児(さらには子犬や子猫なども)を見ると、「かわい~」と思わず目を細め、だっこしたくなります。これは、ほとんど本能的なものです。無力な存在の幼児(動物では幼体)が保護されやすくなるために、大人がその子をいとおしむ感情を誘発するようにできているのです。いわば、心のしくみとして組み込まれているのです。
体が引きしまり、少しずつスマートになってきた上の子に比べ、下の子の方にかわいさを感じてしまう背景には、こんな理由があります。したがって、こうした感情に後ろめたさを感じる必要はありませんが、自然の摂理を理解した上で意識的に、上の子をかわいがってあげるよう配慮したいものですね。
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