ママのためのぷち心理学
ファッションデザイナーのコシノ3姉妹をご存じでしょう。ヒロコさん、ジュンコさん、ミチコさんの3人です。先日、あるテレビ番組で、長女のヒロコさんがトップデザイナーとしての地位を固めるまでの半生が紹介されました。
戦争でお父さまが亡くなり、お母さまのアヤコさんがコシノ洋装店を切り盛りして3人の娘さんを育てられました。絵をかくことが好きだったヒロコさんは、当時まだ知る人の少なかったファッションデザインの道に進もうと決意します。ところが、なかなか思うようにはいかず、すぐ後を追って来た強力なライバル(妹のジュンコさん)にも先を越され、くやし涙に暮れることもあったようです。しかし、そんな中でも劣等感を持ったりあきらめてしまったりすることはありませんでした。自分の才能を信じ、気持ちはいつも前向きだったのです。そしてついに、世界に踏み出すチャンスが訪れたというわけです。
多くの人がチャンスの到来を待たずに自分からあきらめてしまう中で、なぜヒロコさんは自信を持ち続けることができたのでしょうか? その答は、お母さまのほめ言葉にありました。子どもの頃のヒロコさんが絵をかいて見せるたび、お母さまはどんなに忙しくても、わが子の「作品」を熱心に見つめ「うまいなぁ」と心からのほめ言葉をかけたのです。このことが、ヒロコさんの心に、自分に対する期待や自信(心理学では、これを自己効力感と呼びます)を育てたのです。
幼いこどもにとって、一番の判断基準は親の言葉です。せっかく上手に絵をかいても、親がほめてあげなければ、「自分はうまくないんだ」と思い込んでしまいます。
子どもの才能を伸ばすためには、親のほめ言葉は欠かせません。
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