FP福耳先生の家計見直し
ご家族にとって、2012 年はどんな年でしたか?年末が近づくと「今年もこんなことがあったなぁ」と1 年を振り返る機会が多くなると思います。
今回は1 年間の「家計簿」を振り返りながら、家族で使ったお金の流れを考えていきましょう。
1年間の家計簿をしっかり見直していますか? 家計簿をつけているママ・パパ、家計簿はつけていなくても家計をキチンと記録したりチェックしたりしているママ・パパ、いかがですか?
お客さまとお話をしていても、1ヵ月の家計の振り返りをしている方は多いのですが、1年間の振り返りをきちんとしているママ・パパは意外と少ないのが実情です。
今回は、1年に1回の家計チェック=「家計の総決算」を皆さんにオススメしたいと思います。
「決算」とは、会社を経営していくに当たって、1年に1回、決まったタイミン グーーたとえば12月末や3月末などに、1年間の会社のお金の動きや財産の状況をきちんと整理し、まとめることです。各企業は決算の数字をもとに会社の経営の状態をチェックしたり、法人税などの税金の算出をしたりします。決算は、会社経営の「1年間の成績表」とも言われているんですよ。
デパートや家電量販店、自動車のディーラーなどでも「総決算・大セール」なんて広告を出したりしますよね。それは、決算までに少しでも売上をアップさせようと各企業が決算直前に追い込みをかけるためのセールなのです。
会社では、「月次決算」といって、1ヵ月間のお金の動きや財産の状況を毎月チェックしています。そして、必ず1年間の「決算」も行います。 これと同じように、家庭の経営(ちょっと大げさな言い方ですが)においても、家計簿のチェックを、毎月の「月次決算」だけではなく、1年間のまとめチェック=「決算」も行ってみてはいかがでしょうか?
家計の決算をすることで何が見えてくるか…それは大きく3つ挙げられます。
1つ目に家計の大局(全体の大きな流れ)をとらえることができること。
たとえば、光熱費などは暖房などの熱器具の使用で高くなる傾向にあります。また、「家族が病気をした」とか「冷蔵庫が故障して買い換えた」など突発的な支出があった月もあるかもしれません。
1ヵ月の単体月だけでチェックしていると、そのような季節的な要因や突発的な要因で「赤字・黒字」も大きく変わってきてしまいます。
しかし、赤字や貯金が充分できなかった言い訳をわかりやすい要因のせいにしてしまうと、その陰に隠れている無駄遣いを見落としてしまう可能性もあるのです。
そこで、「決算」です。1年間を通しての家計をチェックすることで、季節的・突発的な要因をならして見ることができます。「もっと貯金できたはずだったのに、あまり貯まってないな」とか「外食費が徐々に増えてきたなぁ」など傾向や反省が発見できれば◎。
「来年はこういう点を気をつけていこう!」と来年の目標や注意につながりますよ。
2つ目は、毎年の家計の決算を比較できること。この家計の決算を2年・3年と続けていくと、「昨年よりもこの点が改善できた」など、年ごとの成果を見比べることができます。それは、まさに「家計の成績表」。収入を得、家計のやりくりをがんばってきたママ・パパの通信簿です。より良い方向に結果が出れば、さらにやる気もアップするでしょう。
3つ目は、ピンチのときにも対応しやすいこと。たとえば、急に「じ〜じ・ば〜ばが介護状態になった」とか「会社の業績が振るわずボーナスが減らされた」など、家計のピンチが訪れることがあるかもしれません。でも、毎年の傾向や全体のお金の状況、何にどのくらいお金がかかっているかが見えていると、予期せぬ出費が降りかかってきても、どこからどうやってお金を捻出するか、対策が練りやすくなります。
最後にお願いを1つ。この家計の決算、ママ・パパに語り合いながらやっていただきたいのです。そうすることで、一番大事なものがきっと見えてきます。 「一番大事なもの」とは…、家族の思い出です。
今年1年間の「決算」で「家計・お金」のことだけを振り返るのではなく、「家計・お金」を通して家族のエピソードも含めて振り返ってみましょう。
無駄遣いではないお金であれば、使ったお金の向こう側には必ず「家族のエピソード」があります。楽しいエピソードもあれば、悔しいこと、悲しいこともあるかもしれません。
たとえば、「教育費が昨年より○○円増えた」。この事実は家計簿的には出費が増えて大変になったことになります。でも、そのお金の向こう側にある家族のエピソードがあるわけです。「息子が今年から幼稚園に行ったんだよ な。入園式ではずっと恥ずかしそうに下を向いていたのに、今はいろいろなことができるようになったなぁ」とか「娘がスイミングに通い始めたなぁ。最初は泣いてばかりだったのに、今は25m泳げるよ。すごいね」など。今年あった 家族のできごともママ・パパで語り合いながら決算を進めてくださいね。家計簿はお金に関わる数字の羅列なので、金額だけを追ってしまうと、どうしてもため息ばかりのつまらない作業になってしまいます。しかし、家族の思い出やエピソードに結びつけることで、お金に血が通い、とてもあたたかい数字になってきます。
毎年の家計の「決算」が楽しくなるように、エピソードいっぱいの1年だといいですね。そして、来年は今年よりもさらに楽しい「決算」ができるような、ステキな1年であることをお祈りしております‼
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