FP福耳先生の家計見直し
子育て中のママ・パパに限らず、貯金を増やすことに関心がない、という人はいないと思います。いざという時に、現金が手元にあると安心ですよね。そこで、無理なく賢く貯金ができるコツを福耳先生が教えます!
ちょうどこの原稿を書き始める前のことです。とある場所で相談会に参加しました。その時、相談へ来られたすべてのご家族が、共通して関心を持たれているテーマが「お金を貯める」ということでした。所得が多い人もそうでない人も、若いご夫婦も50代のご夫婦も、「お金を貯める」ことは共通の関心ごとの様子。読者のママ・パパも「もっと上手にお金を貯めたい」と思っているのではないでしょうか?
そこで、今回は「お金を貯める」ことについて書きたいと思います。長年この仕事をやっていて、「貯金上手な人」の話を聞いていると、いくつかの共通点に気が付きます。その共通点というのは、ちょっとした考え方や工夫、日々の習慣によるものです。
下記に主な貯金スタイルをご紹介します。思い立ったその日から始められることばかり。できそうなことからでも良いので「貯金上手な人」のマネをしてみてください。
コツ1の「夫婦でコミュニケーションがよく取れている」は、「わが家で大事にしたい・優先順位の高い」ことをきちんと話し合い、ママ・パパが同じ目標を持っているということ。たとえば、最優先事項が「子ども」だとしても、育てたい方向性により、「学力」なら学校や塾・受験など、「運動能力」ならスポーツクラブや部活動、「情操教育」ならお稽古やボランティア・・・、とお金の使い方が異なります。そのお金の使い道を、ママ・パパで話し合っていれば「重要ではないことにお金を使う」ことが少なく、貯まりやすくなります。
昔から「お金持ちはケチだ」といいますが、お金持ちほどお金を使う目的や効果をシビアに見て、優先順位が低いことや効果が低いものに対してムダ遣いをしていません。つまりコツ2は「必要なことにドンと使うけど、優先順位の低いことにはお金を使わない」という「メリハリがしっかりしている」ことなのです。
実は貯金の上手な人から「家計簿をつけていない」という声をちらほらと聞きます。そういう人に多く見られるのが、コツ3「お金の出口を1つ」にし、「電気代もガス代も電話代もクレジットカードの支払いも、すべてひとつの銀行口座から引き落とす」という人です。クレジットカードを使う場合も1つのカードを集中して使います。つまり、「銀行通帳やクレジットカードの利用明細書が家計簿代わり」なのです。
しかし、生活費には現金で支払う場合もあります。一方で、「使途不明金(何に使ったか分からずに消えていてしまうお金)」が最も発生しやすいのも「現金を使う買い物」です。「あまり必要のないものをちょいちょい買ってしまう」ので、現金での支払いは注意が必要です。
そこで、コツ4は「銀行などからお金を下ろす回数が決まっている」というケース。財布がさびしくなるたびに「口座から下ろす」をくり返していると、ムダ遣いが見えにくくなります。「半月を○万円で乗り切る」「週に○万円」という目標を設定し、支出をコントロールすることで優先順位の低い買い物が抑えられるのです。
ちなみに、「毎週金曜日に○万円ずつ下ろす」といっている方に「なぜ金曜日なのか?」と聞いたところ、「土日で遊んで多く使ったとしても、その分を月曜日以降に調整できるから」ということでした。
コツ5の「貯めるため専用の財布(銀行口座など)がある」というのは、「使う財布と貯める財布は分けましょう」という意味です。貯金用の口座からは、よほど緊急事態が起きない限り使いません。
コツ6の「給料日の翌日が貯金日」は収入があったら「貯蓄する分」を先に確保するということ。「生活費で余った金額を貯金するのではなく、収入から貯金額を引き、残額で生活する」という考え方ですね。
じーじ・ばーばにもらったおこづかいや宝くじの当選、臨時ボーナスなど、臨時収入があったとき、気持ちが大きくなっていませんか?苦労せずに手にしたお金は「悪銭、身につかず」という言葉のようにムダ遣いしやすいのです。
そこで、コツ7「臨時収入も銀行口座へ入金」。給料と同様に口座へ入金します。大きくなった気持ちをリセットするためにも、貯金用の口座に直接入金してもいいかもしれません。
いかがでしょうか?どれもすぐに実行できそうなことではないですか?
これは私が幼いときに祖母が教えてくれた「へそくりのコツ」と似ているのです。生活費やおこづかいを上手にやりくりして貯金することは、本来楽しいことであるべき。苦しみながらがんばってやるものではありません。「へそくり」をつくるようなゲーム感覚で楽しくお金を貯めてはいかがでしょうか?
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