FP福耳先生の家計見直し
お出かけの機会が多くなる、夏ももう間近!
楽しい季節だからこそ、「もし大きなケガをして入院でもしたら…!?」「熱中症や食中毒で倒れてしまったら…!?」心配なこともいっぱいありますね。
そこで今回は、病気やケガのときに役立つ「医療保険の見直し」についてのお話です。
厚生労働省の調査によると、一人の人間が生まれてから亡くなるまで、一生に使う「生涯医療費」は約2300万円と言われます。医療にはずいぶんお金がかかりますね。そのうち、75%以上の医療費は50歳以降に(65%以上の医療費を60歳以降に)使っているのです。つまり、医療費の大部分がじ~じ・ば~ばになってからかかることになります。
しかも、老後は年金生活で収入が少ない時期。さらに、昨今、世間で話題になった「長寿医療制度」のように、老後の公的な負担も増えていく傾向です。ただでさえ収入も少なく、税金や社会保険などの公的な負担が増えているのに、病気やケガで病院のお世話になる機会が多くなってしまう…。
そんなとき、もし60歳や65歳で医療保険が切れたり、保障される内容が減ったりしたら?「医療費がかかって、保険が必要になるぞ!!」という肝心なときに、役に立たないことになってしまいます。
そこで、老後の入院や手術までをしっかりカバーしてくれる一生保障の医療保険をオススメします!
普通の入院7000~8000円/日
成人病系1万2000~3000円/日
入院や手術にはすごくお金がかかるように思われがちですが、実際はそんなことないんです。例えば、盲腸の入院・手術や軽い骨折などの入院と、ガンや脳血管疾患のような重い病気の入院・手術が同じ負担ということはありえません。つまり、重い病気と軽い病気では入院・手術費用が違います。
また、公的な医療保険(健康保険や国民健康保険)の制度には「高額療養費」という給付もあります。これは、「1ヵ月の自己負担額が決められた自己負担限度額を超えた場合、超過分が本人の請求に基づいて払い戻される」というもの。もし、重病を患って医療費の自己負担が多額になったら、この「高額療養費」の給付を活用しましょう。
ということは、入院日額は普通の病気・ケガで7000~8000円、ガンや脳血管疾患などの重い病気で1万2000~3000円くらいを目安にすれば、十分ではないでしょうか。
入院というと長患いをして長期入院…というケースを想像しがちですが、医療の環境はどんどん「入院は短期間に、自宅療養や自宅介護へ」という傾向になっています。要因のひとつは医療や病気の早期発見技術の向上です。そしてもうひとつは、お医者さんの診療報酬の制度です。
この制度によると、診療報酬(=健康保険や国民健康保険など、国から病院に支払われる報酬)の点数は、入院日数1~14日が一番高く、15日以上になると下がります。30日を越えるとさらに下がり、入院が長くなるほど点数が低くなる設定になっています。つまり、病院の経営面から見ると、患者さんに長い入院をさせると病院の得る収益効率が悪くなるのです。そのため、相当重篤な病気でないと、長期入院になる可能性はとても低いのです。医療保険についても1回の連続入院は120日くらいあれば十分で、60日程度でもよいのではないかと思います。
「入院したら1日○○円」
医療保険に多い保障内容です。一見、どの会社も同じようですが、よく見るとけっこう違います。
例えば、ポイント03でふれた「1回の連続入院日数」。よくあるのは60日型、120日型ですが、短いものでは30日型というものや、360日型、それ以上の長期連続入院でも対応するものもあります。
そして「手術給付金」。よくあるパターンは「手術の種類によって、入院日額の10倍・20倍・40倍」というもの。ただ、中には「一律で10万円」と規定されていたり、「ある特定の手術については一生に1回しか手術給付金を支払わない」と規定されていたりします。また、「入院の最初の4日間(または最初の7日間)は出ませんよ」というタイプもありますね。
細かく見ておかないと、実際に入院・手術をしたとき、「保険会社に請求したけど給付金が十分にもらえなかった!!」ということになりますので、気をつけてチェックしてください。私のオススメはポイント03でもお話したように、「入院の短期化、手術の技術高度化」の傾向から考えて、短期入院でも出て、手術給付金が充実しているほうがよいかと思います。
1 必ず担当者から説明を受ける。
保険は月5000円ずつ払ったとしても、30年間で「5000円×12ヵ月×30年間=180万円」と、ちょっとした自動車が買える大きな買いものです。
自動車を買うときには、必ず試乗をしたり、機能や車検、メーカーの保証について確認したりするはずです。それと同じことを保険についてもキチンとやりましょう。
値段やイメージだけで決めてしまうと、本当に保険が必要なときに役に立ってくれない!なんてことが起こりかねません。「CMで見てよさそうだった」「親戚や職場の義理・お付き合いで」という理由だけで契約するのは厳禁!!金融のプロフェッショナルとしてキチンと話ができる人から契約するようにしてくださいね。
2 保険は「入ること」よりも「キチンと出ること」が大事!
保険は入ることが目的ではなく、キチンと必要なときに出ることが大事です。
まず、健康状態の告知は正しく書きましょう。告知をゴマかすと保険に入れても、給付金がキチンと出ない…なんてこともありますよ。
また、保険会社の経営状態や経営理念、担当者の仕事に対する姿勢や知識・力量、そして、先般の保険金不払い事件での件数や対応なども重要な判断材料になります。
3 なるべく「更新型」のものは選ばない。
よく「10年更新」「15年更新」の保険がありますが、私はあまりオススメしません。
更新型の保険は、たしかに契約時の保険料が安いですが、保険は確率で値段が決まる商品。例えば10年更新だと、10年後、20年後と更新するときは、今より年齢が上がり、手術・入院の確率が高くなります。よって更新するたびに保険料が値上がるのです。
今、0歳のお子さまがいたとすると、10年後は小学4年生、20年後は大学2年生です。教育費が年々かかるのに、保険も値上がりしては家計にも影響がありますよね。
そのため、よほど経済的に苦しくない限り、できるだけ更新で値上がりしないものを選びましょう。
※主契約は「終身(一生保障)」になっていても、特約が更新型になっているものも多いので気をつけてチェックしてください。
4 生命保険と医療保険は別々に。
生命保険に特約で入院や手術の医療保障を付けることがありますが、できるだけ別々にすることをオススメします。
なぜかというと、主契約の生命保険を解約すると一緒に特約の医療保障も消滅してしまうからです。もし、お子さまが独立し、親としての責任がひと段落したとき「特約の医療保障は老後まで続けたいけど、生命保険はもう要らない」となったら…?医療保障を続けたいがために、不要な生命保険の保険料も払い続けるハメになります。
実は、「保険を十分に活用できるかどうかは担当者で決まる」と言っても過言ではありません。特に医療保険は、「担当者次第でもらえる給付金の額が違ってくる」なんてことも!!あなたの保険の担当者さんはどうですか?
残念なことに、保険に詳しくない保険の外交員さんや営業さんはいっぱいいます。だからこそ、「保険に詳しい担当者」がいいのです。「いつどんなときに給付金が出るのか」をキチンと説明できる人は、給付金もキチンと届けてくれます。
そして、医療にもある程度詳しい担当者を選びましょう。なぜかというと、同じ入院・手術を受けていても、医師の診断書の書き方次第で給付金が出る・出ないが変わってくるからです。お医者さんに「キチンと給付金が出る診断書」を書いてもらうために、的確なアドバイスができない担当者だと、給付金をもらい損ねる可能性があるわけです。
いかがですか?契約している保険は本当に自分たちの家族に合ったものでしたか?ポイントに気をつけて医療保険の見直しをしてみてくださいね。きっと、自分たちの家族にぴったりの保険を、自分の力で選ぶことができると思います!
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