FP福耳先生の家計見直し
春です! 新年度・新学期・新入生・新社会人…、街中に新しいことがいっぱいの季節ですね。
今回は、家計の中でとても大切な金融商品だけれど、イマイチよくわからない、「生命保険の見直し」をとりあげてみました。
無駄なく、そして効率よく、必要な保険にするためにはどのように考えたらよいのでしょう。
ライフプランとは「自分や家族がどんな人生を過ごしていきたいか」をイメージし、計画を立てることです。自分や家族の一生に、いくらお金がかかるのか?おおよその金額が予測できれば、パパ・ママに万が一があった場合にどれくらい備えればいいのかがわかりますよね。
ライフプランはご家族によって十人十色。たとえば、Aさん家族は教育について「私立の小学校に入れて大学までエスカレーター式に進学させたい」と考えるとします。一方、Bさん家族は「ずっと公立の学校でいいので高校まで出したい」という考えだったとすれば、Aさん家族とBさん家族では教育にかかるお金がずいぶん違いますね。
ほかにも、お住まいや老後について、車などの大きな買い物についても、ご家族によって考え方や計画が違います。
そのため、まずは家族のライフプランをパパ・ママで話し合ってイメージを作りましょう。特に、大きなお金のかかる「お子さまの教育計画」と「お住まいの計画」、そして必ず毎月かかる「生活費(食費、光熱費、通信費、日用品費など)」はしっかりと考えてくださいね。
ライフプランをキチンと考えずに入った保険は、「サイズを確認しないまま、適当に買ってしまった」洋服と同じ!!自分の体にぴったり合っている可能性がとても低いわけです。
家族が生きていくのにかかるお金を考えたうえで、パパ・ママに万が一があったときの必要な備えを計算すること。これは保険を考えるうえで「自分にぴったり合ったものを選ぶために、体のサイズをキチンと測ること」にあたるわけです。
ポイント2で計算した金額はいくらになりましたか?
「これからの人生にこんなにお金がかかるの!?」「もし、パパに万が一のことがあって収入がなくなったら、こんなにお金が必要なの!?」と、驚いた方もいるかもしれませんね。そうなんです。生きていくのにはお金がかかるんです!!
しかし、生きていくためのお金がすべて残された家族に降りかかってくるわけではありません。次のお金が支給されたり、免除されたりします。
■公的な遺族年金
会社勤めの方は厚生年金を、公務員の方は共済年金を、毎月の給料の中から納めています。また、自営業の方などは国民年金を納めていると思います。もしパパが亡くなったら、各年金制度から遺族年金が支給されますので、その分のお金は保険で備える必要はありません。
■住宅ローンの団体信用生命保険
お住まいを購入して住宅ローンを組んだと同時に、たいていの場合「団体信用生命保険」という保険に加入しています。パパが亡くなってしまった場合、住宅ローンの残債が「団体信用生命保険」の保険金で完済されることになります。逆に賃貸派の方は、残された家族の住む場所の家賃はかかります。その分も生命保険で残さないといけませんね。
■残された家族の自助努力
たとえば、「ママが仕事をして月○万円くらいの収入を得る」「残された家族がパパやママの実家で生活することで、家賃の負担をなくす」といったことで、収入を得たり出費を抑えたりすることもできます。
このように、全部を保険で備えなくてもよい部分は、ポイント2で算出した金額から差し引いて考えてもいいわけです。
ポイント3で計算した金額に合わせて、生命保険の金額をシェイプアップすれば、自分の家族に本当に必要な保険を自分で決めることができます!
それは、まさに「自分のサイズにぴったり合った生命保険」になるのです。
1 必ず担当者から説明を受ける。
保険料を月1万円ずつ払ったとしても、30年間で「1万円×12ヵ月×30年間=360万円」。ちょっといい車が買えますね。
皆さまは車を買うときに、必ず色を選んだり、機能や定期点検・車検、メーカーの保証について確認したりしますよね。それと同じことを保険についてもキチンとやりましょう。
値段やイメージだけで決めてしまうと、保険が必要なときに「役に立ってくれない!」なんてことになるかもしれません。「CMで見てよさそうだった」「親戚や職場の義理・お付き合いで」という理由だけで契約するのは厳禁!!金融のプロフェッショナルとしてキチンと話ができる人から契約するようにしてくださいね。
2 保険は「入ること」よりも「キチンと出ること」が大事!
保険は入ることが目的ではなく、キチンと必要なときに出ることが大事です。
保険会社の経営状態や経営理念、担当者の仕事に対する姿勢や知識・力量、そして、先般の保険金不払い事件での件数や対応などを重要な判断材料にしましょう。
3 なるべく「更新型」のものは選ばない。
よく「10年更新」「15年更新」の保険があります。私的にはあまりオススメしていません。
たとえば10年更新を見てみましょう。更新型の保険は、最初の保険料が安い。しかし、保険は確率で値段が決まる商品です。10年後、20年後と更新するときは、今より年齢が上がり、亡くなる確率も高くなるので、更新するたびに保険料が値上がります。
今、0歳のお子さまがいたとすると、10年後は小学4年生、20年後は大学2年生です。教育費がどんどんかかるようになっているのに、保険も値段が上がっては、家計にも影響がありますよね。
そのため、よほど経済的に苦しくない限りは、パパが現役で働いている期間(60歳や65歳)までしっかりカバーしているもの、そして、更新で値上がりしないものを選ぶようにしてみてください。
※主契約は「終身(一生保障)」になっていても、特約が更新型になっているものも多いので気をつけてチェックしてくださいね。
4 特約はあれこれ付けない。
特約は割と安い値段で保障が大きくできるので一見お得な感じがします。
しかし、保険は確率で値段が決まる商品。「安い」=「発生する確率が低い」ということです。自分や家族にとって、特約の保障内容が本当に必要なのかどうかをキチンと考えてみましょう。
月200円の特約でも、30年間で200円×12ヵ月×30年間=7万2000円です。
必要性の低いものに余分なお金をかけないように気をつけてください。
5 生命保険と医療保険は別々に。
生命保険に、特約で入院や手術の医療保障を付けることがありますが、できるだけ別々にすることをオススメします。
というのは、主契約の生命保険を解約すると一緒に特約の医療保障も消滅してしまうからです。お子さまが大きくなって親としての責任がひと段落したときに「特約の医療保障は老後まで続けたいけど、生命保険はもう要らない」という状態になった場合、医療保障を続けたいために不要な生命保険の保険料も払い続けなければならないからです。
いかがですか?今まで契約していた保険は本当に自分たちの家族に合ったものでしたか?ポイントに気をつけて保険の見直しを進めてみてくださいね。きっと、自分たちの家族にぴったりな保険を、自分の力で選ぶことができますよ。
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