FP福耳先生の家計見直し
最近では、ご夫婦で働く方も多くなってきましたね。
2人分の収入があるため、家計も安定、ちょっとリッチな生活もできます。
お子さまがいない時は生活費もそれほどかからず、なおさらです。
でも、お子さまができると状況は一変!! 奥さまは今までのようには働けず、お子さまにもお金がかかるのに、一度身に付いたリッチな生活習慣をすぐに変えられない…。
そこで今回は、実際にご相談に来られたご夫婦のケースをご紹介します。
では早速、一緒に考えていきましょう!
今回のご相談内容
●子どもが生まれ、奥さまが今のペースで仕事ができなくなると、住宅ローンや子どもの教育費などが問題なく払っていけるかどうか心配
まず、このご夫婦の「1ヵ月の家計簿」を見てみましょう。
やはりご夫婦合わせて1400万円の年収があるので、とても余裕のある家計簿…というのが第一印象です。
住宅ローンやレジャー費用・外食、年に1回の海外旅行にお金を使っても、月々10万円近く貯金ができるのは、すばらしいことです。
しかし、妊娠・出産に伴って奥さまがお仕事を辞めたら…。ここで再び「1ヵ月の家計簿」を見てみましょう。ご主人の手取り・約54万円に対して、毎月の出費は56万4000円ですから、今の状態でいくと、すぐ赤字になってしまうのは一目瞭然!!
これから、お子さまの食費や生活費、教育費がかかるようになるので、さらに大変なことになってしまいます。
そこで、レジャー費用や外食費、海外旅行費用、衣服費、通信費の削減と、保険の見直しをして、支出を月々8万円減らせるように計画を立てました。また、貯金についても「毎月12万円ずつ」と金額を決めて、計画的な貯金をするようにアドバイスをしました。
いつもなら、これでご相談はおしまい……のはずだったのですが…。まだ続きがあったのです!!
3ヵ月後、このご夫婦からもう一度ご相談のお電話がありました。その内容は「支出が計画通りになかなか減らせないんです〜!!」というものだったのです。
詳しくお話を聞くと、生命保険の見直しや携帯電話の通信費のように、保険の内容や携帯電話の料金プランさえ見直しすれば削減できるものはちゃんとできているのです。
問題は、レジャー費用や外食費、衣服費などがなかなか減らせていない点。
今までの豊かな生活スタイルやぜいたくに一度慣れてしまった後の節約は、自分に厳しくしなければなりません。それができずに、ついつい今までどおりの外食や買い物をしてしまうのです。この点に関しては人間としての習性ですから、このご夫婦を責めることはできません。しかし、生まれてくるお子さまのためにも、がんばってもらわなければなりませんね。
そこで、ちょっと荒療治ですが、このご夫婦に次のような提案をしました。
「ご出産のために奥さまが退職されるまでの残り3〜4ヵ月間、奥さまの給与が振り込まれる銀行口座の通帳とキャッシュカード、私がお預かりしてもいいですか?」
そうです。強制的にご主人の給料だけで生活をやりくりしなければいけない状況をつくるようにご提案したのです。さすがにこの提案には、ご夫婦もかなりびっくりしていましたが…!!
実際は私が預かったのではなく、「子どものための貯金だから使わないように」と奥さまのご実家に通帳とキャッシュカードを預けました。そして、お子さまが生まれる前の4ヵ月間、ご主人の収入だけでやりくりできるようにがんばったのです。今では無事にお子さまも誕生し、奥さまもお子さまと一緒に楽しい子育て生活をされています。
実は、今回のご夫婦のようなケースが最近多くなっています。つまり、「ご夫婦共働き→余裕のある生活→お子さま出産→支出の節約がうまくできない→家計破綻の予備軍に!」という事例です。「うちも、もしかしたら…」と思ったら、1ヵ月の支出と収入を照らし合わせて、将来お子さまの教育費がかかってきても大丈夫か どうか、ぜひチェックしてみてください。お子さまが小さくて教育費がかかっていない今なら間に合いますよ!
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