FP福耳先生の家計見直し
世は痩身ブーム、様々なダイエット法がテレビや雑誌で紹介されています。しかし、間違ったダイエット法だと「体に無理がかかり体調を崩してしまった!」、「一時的に体重は減ったものの、実は必要な筋肉が落ちていたためリバウンドした!」など後で手痛いしっぺ返しを食らうことがあります…。
家計見直しもダイエットと全く同じです。安易な方法や正しくない考え方だと一時的には改善したとしても、後になって大きな代償を払うことになってしまいます。長期的な視野に立って見直すことで「ぜい肉の少ない健康的な家計のシェイプアップボディ」をめざしましょう!!
「人生の主人公」はあなた自身とあなたの家族です。「あなたは家族とどんな人生を歩んでいきたいですか?」…これがすべての基準です。たとえば、「子どもは大学まで行かせたい」「3年後にはマイホームを買うぞ!」のような具体的な将来の夢や希望です。
そして、主人公であるあなたと家族の夢を叶えるために働いてくれるのが「お金」です。つまり、ライフプランが決まって初めて「何のために、いつ、どれだけのお金が必要か?」が決まるのです。
「テレビで『子どもの教育費は1人1500万円必要』と言っていたから、1500万円貯めなければ…」と、脇役の「お金」に主人公であるあなたの人生を合わせてしまうのは本末転倒なのです。
まずは、パパ&ママでしっかり家族のライフプランを話し合ってみてください。
ここでやっと具体的な「お金」の話になります。たとえば、「住宅購入の頭金が3年後に500万円」のように、ライフプランに「何のために、いつ、どれだけの資金が必要か」を当てはめていきます。
本来はライフプランに合わせて細かく資金シミュレーションを行なうのですが、限られた紙面上でそれを全部説明するのは困難ですので、今回は簡単にできる「未来家計簿」を使って家計をチェックしてみましょう。
(図1)のAさん一家の例で見てみましょう。ライフプランにお金を当てはめた支出グラフを見ると、C君、Dちゃんがそれぞれ大学生、高校生になる16〜20年後が支出のピークになるということがわかります。この時点の家計簿を予測して、このピークを乗り切れる体制を今から考えておきましょう…という作戦です。
では、16年後の未来家計簿を予測していきましょう。高校生・大学生になったお子さんのいる16年後の家族の生活をじっくりイメージしてみてください。たとえば、子どもが高校生くらいになれば携帯を持つようになるので「通信費」はプラス1万円に…、育ち盛りで「食費」もプラス2万円くらいになるかな…といった具合です。
住宅ローンについては、「これから購入を検討するので…」「変動金利のローンなのでわからない」という方もいると思います。その場合は、概算で「{(物件価格)ー(預金)}x1.7÷12ヶ月÷(ローン返済期間年数)」の金額を目安にしてみてください。
教育費については、概算で、私立高校だと年間100〜120万円(公立高校50〜60万円)くらい、私立大学で年間150〜180万円(国公立大学 120〜140万円)くらいなので、12で割って1ヶ月あたりの額を計算します。
Aさん一家の16年後の未来家計簿は(図2)で見てわかるように大赤字ですね。子どもが小さいうちに教育資金づくりなどの対策をしておかねば大変なことになることが一目瞭然です!!見直しのポイントとしては…
①レジャー費・通信費
子どもが小さいうちは教育費の支出が少なく、家計に余裕があるので、レジャー費やパパ&ママの通信費(携帯・ネット)などにお金を使いすぎてしまう傾向があります。未来家計簿を見ると「子どもが小さいうちは貯金のチャンス!」ということがよく見えますよね。携帯の使用やレジャー費用も適度にコントロールして貯金に回しておきたいですね。
②保険の見直し
保険は「入る」ものではなく「買う」ものです。必要な保障を自分自身で選択して買うべきものなのです。ですから、見直しの手順としては、まず、あなた自身が内容を理解し、特約一つ一つまで「必要な保障か?」「保険(給付)金額に過不足はないか?」「保険期間は妥当か?」をチェックして下さい。また、10年・15年ごとに更新で値上がりするものは「これから教育費がかかるぞ!」という時に保険料もUPしてしまいますので注意が必要です。
③ママの収入
出て行くお金を減らすだけではなく、入ってくるお金を増やす作戦は非常に有効な解決策です。お子さんがママの手を離れてきたら、パートなどで一家の収入を増やす方法も非常に有効です。
④身近な「使えるサービス」
たとえば、自治体によって「私立幼稚園就園補助金」や「家賃補助」など子育てファミリーに取って便利で、支給条件がそれほど厳しくない補助金制度が結構あります。一度、役所に行ってチェックしてみるといいのではないでしょうか。
また、毎日の買い物でもクレジットカードのポイント・マイレージ、店の発行するポイントカードなど上手に活用すると、年間で数万円の効果になることもあり、あなどれませんよ!
このように未来家計簿を作ると、具体的に「将来どのくらいピンチになるか」「家計のぜい肉がどの辺か」が見えてきます。
今日ご紹介した「『未来家計簿』予測法」は大まかなもので、税金やローンの金利、貯金の状態などが計算に入っていません。いわば、家計の「健康状態 簡易検査キット」みたいなものです。
ライフプランも家計の健康状態もご家族によって十人十色です。将来にわたって健全な家計を作っていくためには、一度キチンと「家計の健康診断」をしてみると良いでしょう。早く改善ポイントが発見できれば早めに対策を打つことができます。ファイナンシャルプランナーは「家計のホーム・ドクター」、一度チェックしてもらってみてはいかがでしょうか?
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう