ドクターニュース
9月に入り、日中は暑くても、朝夕の気温がグンと下がるようになり、過ごしやすい季節になりました。この時期は、運動会の練習などで体調を崩したり、ぜんそく発作を起こすお子さんが増えてきます。睡眠をしっかりとり、医師から日ごろのケア(吸入、内服)、発作時の対処法を指示されている人は、今一度、しっかりと確認しておきましょう。
さて、第36週(9月1日~9月7日)の全国約3,000の小児科定点医療機関からの報告1)によると、第1位の「感染性胃腸炎」は定点あたり3.43、都道府県別の上位3位は大分県(9.03)、熊本県(5.90)、岡山県(5.56)となっています。
第3位の「ヘルパンギーナ」は前週比13%減の定点あたり1.99となりました。今後は終息に向かうと思われます。都道府県別の上位3位は新潟県(7.44)、福島県(7.07)、宮城県(6.14)をはじめとして、東北地方を中心に15都道府県が未だ警報の継続基準である定点あたり2を上回っています。
第4位の「RSウイルス感染症」は前週比43%増となりました。
沖縄県で、「インフルエンザ」の定点あたり患者数が1.31と流行開始基準の1を超えました。沖縄県では毎年夏場にインフルエンザの流行が見られており、今後の動向に注意が必要です。
RSウイルス感染症の小児科定点医療機関からの報告数は、例年冬期にピークが見られ、夏期は報告数が少ない状態が続いていましたが、近年、7月頃から増加傾向がみられるなど、流行の立ち上がりの早まってきている傾向が見られています。2014年も第31週(7月28日~8月3日)から増加が続いており、今年もRSウイルス感染症の動向に注意を要します。
RSウイルスによっておこる、呼吸器感染症のことです。特効薬はありません。咳、鼻汁などのかぜ症状が2~3日続いた後、感染が下気道(気管支や肺)に進むと、特徴的な病型である細気管支炎となります。細気管支炎をおこすと、細気管支が炎症により狭くなるため、呼気性喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などをおこします。発熱と細気管支炎は約5日間続きます。高熱と呼吸困難のため水分が取れなくなったり、ぐったりした場合は、入院となります。1歳以下の赤ちゃん、特に未熟児、心臓に先天性の障害のある赤ちゃん、月齢の小さい赤ちゃんがRSウイルス感染症にかかると、細気管支炎を起こしやすく、重症化しやすくなります。
1) 国立感染症研究所感染症発生動向調査週報(IDWR)速報データ 2014年第36週
http://www.nih.go.jp/niid/ja/data/4949-idwr-sokuho-data-j-1436.html
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