ドクターニュース
2月になりました。立春を過ぎ、公園の梅の花がほころんでいるのを見ると、春の訪れへの期待に心が高まります。暦の上では寒さも少し和らいでくることになっていますが、インフルエンザの流行はピークを迎えようとしています。引き続き、流行状況にご注意ください。
さて、平成28年第4週(2016年1月25日~2016年1月31日)の全国5000か所のインフルエンザ定点医療機関からの報告1)によると、インフルエンザの定点当たり報告数は22.57人(前週10.56人)とさらに増加しました。都道府県別では新潟県が最も多く39.44人、次いで沖縄県が34.29人、福岡県が31.88人、神奈川県が31.64人、埼玉県が30.3人など、計5県が警報レベルの30人を超えました。ウイルスの検出状況2)としては、AH1pdm09(以前に新型と呼ばれていたもの)が最多で全体の半数を占めており、次いでB型、AH3亜型(A香港型)の順となっています。
インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫に混じって放出されます。予防のためにマスクをすることは感染防止に効果的ではありますが、元気な人がマスクをするよりも感染者がマスクをしたほうが、感染予防効果が高いといわれています(咳エチケット)。てすりなどからの接触感染もありますので、手洗いも効果的です。インフルエンザにはアルコールも有効ですので、アルコールによる手指消毒もよいでしょう。部屋の加湿、睡眠や栄養を十分取るなどの体調管理も大切です。
インフルエンザの初期症状は、突然の高熱、悪寒、関節痛です。よく、早目の受診がよいなどといわれますが、これらの症状が出て直後に病院へ行っても、検査で陽性とならない場合があります。よほど具合が悪くなければ、翌朝まで様子を見てからの受診でよいと思います。安静にして、水分をしっかり取り、休養します。症状によっては、抗インフルエンザ薬が処方されます(すべての人に必要というわけではありません)。
抗インフルエンザ薬の使用の有無に関わらず、子どもや未青年者には、異常行動(突然走り出したり、窓から飛び降りたりする)が出る場合がありますので、数日間はお子さんを一人にしないようにしましょう。また解熱剤(熱さまし)は強い合併症を起こすことがありますので、勝手に使用してはいけません。登園・登校には治癒証明書が必要です。成人の方も、感染まんえん防止のため学校や会社は1週間程度休んでください。
1)国立感染症研究所:インフルエンザ流行レベルマップ2016年 第4週 (1月25日~1月31日)
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/Hasseidoko/Levelmap/flu/new_jmap.html
2)国立感染症研究所:インフルエンザ分離・検出状況2015/16シーズン
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/iasr/Byogentai/Pdf/data2j.pdf
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-m/flutoppage/1974-idsc/iasr-flu/5925-iasr-influ20150910.html
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