2016年1月 4日
インフルエンザが一部地域で流行シーズン入りしました
新しい年を迎えました。新年から2月の立春までは、小寒・大寒と言われ、1年で最も寒い時期とされています。インフルエンザなどの冬型感染症がピークを迎える時期でもありますね、これらの感染症を周りの人に移さないよう、咳や鼻汁、熱っぽいなど体調の良くない方は、極力人混みに入らないよう、お願いいたします。やむを得ず外出しなければいけない場合、マスクをつけていただくなどの「咳エチケット」にご協力ください。体調の良い人も、楽しい外出の後はしっかりと手洗い、うがいを行い、元気に楽しく1月をお過ごしください。
さて、平成27年第51週(12月14日~12月20日)の全国5000か所のインフルエンザ定点医療機関からの報告1)によると、インフルエンザの定点当たり報告数は0.46人(前週は0.34人)でした。今シーズンは、RSウイルス感染症の流行の影響もあり、昨シーズンよりはインフルエンザ流行の開始は遅くなりそうです。都道府県別では秋田県(3.41人)、北海道(1.54人)、新潟県(1.26人)、福島県(1.14人)、沖縄県(1.00人)の5都道府県で流行開始の目安である1を超えました。3学期の開始とともに流行は拡大し、1月半ばごろから全国的にも本格的に流行すると思われます。
インフルエンザとは
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる急性の感染症のことです。インフルエンザウイルスにはA、B、Cの3つの型(いわゆるインフルエンザとして流行するのはA型、B型)があり、分離された場所、抗原型などの株の違いにより命名、分類されています。このようにインフルエンザウイルスにはたくさんの株があり、また、年によって流行する株が変わるため、毎年ワクチンを接種する必要があるのです。A型インフルエンザウイルスは変異といわれる遺伝子の組み換えが起こりやすく、これによって新型ウイルスが生まれるため、定期的に世界中で大流行(いわゆるパンデミック)が起こります。
家庭でできる感染防止策
インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫に混じって放出されます。予防のためにマスクをすることは感染防止に効果的ではありますが、元気な人がマスクをするよりも感染者がマスクをしたほうが、感染予防効果が高いといわれています(咳エチケット)。てすりなどからの接触感染もありますので、手洗いも効果的です。インフルエンザにはアルコールも有効ですので、アルコールによる手指消毒もよいでしょう。部屋の加湿、睡眠や栄養を十分取るなどの体調管理も大切です。
インフルエンザにかかったときの家庭でのケア
インフルエンザの初期症状は、突然の高熱、悪寒、関節痛です。よく、早目の受診がよいなどといわれますが、これらの症状が出て直後に病院へ行っても、検査で陽性とならない場合があります。よほど具合が悪くなければ、翌朝まで様子を見てからの受診でよいと思います。安静にして、水分をしっかり取り、休養します。症状によっては、抗インフルエンザ薬が処方されます(すべての人に必要というわけではありません)。
抗インフルエンザ薬の使用の有無に関わらず、子どもや未青年者には、異常行動(突然走り出したり、窓から飛び降りたりする)が出る場合がありますので、数日間はお子さんを一人にしないようにしましょう。また解熱剤(熱さまし)は強い合併症を起こすことがありますので、勝手に使用してはいけません。登園・登校には治癒証明書が必要です。成人の方も、感染まんえん防止のため学校や会社は1週間程度休んでください。
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