ドクターニュース
さわやかな初夏の季節になりました。この時期は日中の気温が上がってきて、あせもやとびひなどの皮膚のトラブルが増えてきます。外遊びで汗をかいた後は、シャワー浴で皮膚を清潔にしておきましょう。また日中の気温の上昇に伴い、熱中症や食中毒が増えてくる時期です。行楽の際には水分補給と体温管理をしっかりと行い、行楽のお弁当の食中毒にもご注意くださいね。
さて、全国の定点医療機関からの報告1)によると、第20週(5月11日~5月17日)のA群溶連菌性咽頭炎の定点当たり報告数は3.43人でした。これは過去10年間の同時期で一番多い報告数となっており、警報(定点当たり8人以上)を発令する自治体も出てきています。都道府県別では鳥取県7.58人を筆頭に、山形県5.43人、新潟県5.42人、島根県5.26人と続きます。
A群溶連菌という細菌がのどに感染して、のどの痛み、熱、体や手足の発疹などが出ます。舌はイチゴのようになります。うつる病気です。検査でのどに溶連菌がいることがはっきりしたら、抗生物質を10~14日間飲みます。1日か2日で熱が下がり、のどの痛みも消えます。しかし、途中で薬をやめてしまうと再発します。薬をきちんと飲まないと、リウマチ熱や腎炎をおこすことがありますから、指示通りに最後まで薬を飲むことが大切です。
この病気は感染が高く、しばしば家族(子どもだけでなく大人にも)にうつります。家族に同じような症状があれば、受診して、のどの検査を受けてください。特に、接触の機会の多いきょうだい間では、症状がなくてもうつっている場合がありますので、お子さんが溶連菌感染症と診断されたら、他のお子さんも一緒にのどの検査を受けましょう。検査の結果うつっていなくても、予防のための薬が出されることがあります。登園(登校)には許可書が必要です。抗生剤を飲み始めてから24時間以上経ち、熱や発疹などの症状がおさまり、主治医の許可が出れば、登園(登校)できます。
1)国立感染症研究所感染症発生動向調査 週報(IDWR)
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