ドクターニュース
10月になりました。秋たけなわの気持ちの良い気候が続きます。子どもの感染症が少な目のこの時期に、インフルエンザをはじめとしたワクチン接種を進めましょう。また、アトピー性皮膚炎のお子さんは、暑くも寒くもないこの時期のうちにしっかりと肌のケアを行い、冬シーズンへ備えましょう。
さて、2014年~2015年の冬季シーズンにおいて、全国各地で主要流行株を占めていたノロウイルスGII.4が減少し、代わりに新しい遺伝子型のノロウイルス(ノロウイルスGII.17)が多数検出されました。GII.17はその前のシーズンでは国内では2件しか検出されておらず、それまではまれな遺伝子型と思われていました。
この2014年~2015年の冬季シーズンのGII.17の集団発生は、国内のみならず、中国、台湾、香港でも報告され、主にアジア諸国で流行したと考えられました。ノロウイルスは遺伝子型に変異を起こしやすいことが知られており、現段階ではGII.17に対する免疫を持たない集団が多いことが予測されています。このような主要流行株の入れ替わりは、2006年以降、初めて経験する大きな変化であり、今後このタイプのウイルスが国内において大流行を引き起こす可能性があります。今シーズンの立ち上がり(2015年11月ごろ)におけるGII.17の動向には十分注意が必要です。
一般的にノロウイルスの感染は、カキの生食や、ヒト-ヒト感染によって起こります。カキを食べるときは中まで十分に火を通しましょう。11月以降の流行期には、外出後は手洗い、うがいを励行しましょう。吐物や下痢便を処理する際には、使い捨てのペーパータオルを使用します。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じて下痢便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して破棄しましょう。
○ノーウォークウイルス(ノロウイルス)の遺伝子型(2015年改訂版)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/5913-pr4274.html
○新規遺伝子型ノロウイルスGII.P17-GII.17の流行
http://www.nih.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/5903-pr4273.html
○厚生労働省:ノロウイルスに関するQ&A
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