ドクターニュース
6月になりました。今年は、例年より早く全国で梅雨入り宣言が続いています。梅雨の時期は、咳や鼻水を伴ういわゆる「かぜ」にかかるお子さんは減ってくるものの、蒸し暑さから、あせもやとびひなどの皮膚のトラブルを起こすお子さんが増えてきます。食事の汚れや汗をそのままにしておくと、このようなトラブルを起こしやすくなります。こまめにシャワーを浴びて皮膚を清潔に保ち、部屋の温度や湿度の上昇にも気を付けましょう。
さて、第21週(5月19日~5月25日)の全国約3,000の小児科定点医療機関からの報告1)によると、第1位の感染性胃腸炎は定点あたり報告数8.8と、例年よりやや高めで推移しています。都道府県別の上位3位は愛媛県(15.4)、福井県(14.1)、大分県(12.9)となっています。第2位のA群溶連菌性咽頭炎は定点あたり2.9で、2週連続で増加しています。 都道府県別では新潟県(5.5)、福岡県(5.2)、鳥取県(5.0)と高くなっています。これらの県内では、国が定めた警報基準(定点あたり8)を超えている地域もあるようです。A群溶連菌性咽頭炎は毎年この時期にピークを迎えます。学校や園の流行状況にご注意ください。
手足口病・ヘルパンギーナのいわゆる夏型感染症は2週連続で増加していますが、定点あたり報告数は0.3と少なく、まだ流行の兆しは見られていません。
今年に入り、引き続き麻疹の報告が続いています。第21週までの累計報告数は343例2)と、昨年同時期の約3倍となっています。遺伝子型はB3が最多で、これは、もともとアフリカで多く検出されていましたが、2014年現在、アジアでも多数検出されています。成人が東南アジアに渡航した際に感染したり(輸入麻疹)、また輸入麻疹事例からの二次感染事例もみられています。
発症者のほとんどが、ワクチンを受けていない、あるいは1回しか受けていない人です。1歳過ぎてまだ麻疹・風疹ワクチンを接種していないお子さん、あるいは成人の方で、ワクチン歴が不明の方は、麻疹・風疹混合ワクチンを接種しましょう。麻疹は大変感染力が強く、空気感染するので、待合室や電車の中などで麻疹の人と同席するだけで、感染してしまいます。お子さんは1歳になったら速やかに麻疹・風疹混合ワクチンを接種しなくてはいけません。新年長のお子さんは、早めに2回目の麻疹・風疹混合ワクチンを接種しましょう。
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