ドクターニュース
全国で桜の花が見ごろを迎えています。花冷えという言葉があるように、この時期は一時的な冷え込みの強い日もあり、服装や温度調節の難しい季節です。入学・進級を控えたお子さんは、今一度、ワクチンの接種もれがないか確認をしましょう。スギ花粉の飛散はピークを越えましたが、ヒノキ花粉の飛散が始まっています。ヒノキ花粉症の方は、引き続き花粉対策を行ってくださいね。
さて、全国約3,000の小児科定点医療機関からの報告1)によると、第12週(3月18日~2月24日)の定点あたりの報告数は以下の順となっています。
1位:感染性胃腸炎
2位:インフルエンザ
3位:A群溶血性連鎖球菌性咽頭炎
4位:水痘(みずぼうそう)
5位:突発性発疹
インフルエンザの定点あたり報告数は6.8となりました。都道府県別では石川県(18.6)、愛知県(18.3)を筆頭に、14都道府県が注意報レベルの定点あたり10を超えています。
第12週(3月18日~3月24日)の全国医療機関からの風疹の報告数は292例で、今年に入ってからの累積報告数2,418例と、昨年1年間の報告数2,353例を上回りました。2)。都道府県別では、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、埼玉県の順で、主に関東で流行が拡がっています。
風疹患者の多くが20歳以上の成人で、男性が女性の3倍多く報告されており、これは過去に中学生の女子だけにワクチン接種を行っていたためです。
妊娠初期の妊婦さんが風疹にかかると、高い確率で赤ちゃんに先天性風疹症候群(視力や聴力の異常、心疾患など)を起こす事が知られています。風疹はまれに成人でも重症化することがあり、今年に入り、健康な成人男性が風疹による重症な脳炎を起こしたという報告も見られています。
自身が風疹にかからないために、また、妊婦さんと赤ちゃんを風疹から守るために、成人女性・男性で、過去に風疹ワクチンを受けたかどうかはっきりしない人(風疹ワクチンは2回接種が勧められていますので、過去に1回接種をしたことのある人も、良い機会ですので、ぜひもう1回接種をしてください)、1人目の妊娠の時に風疹の抗体価が低いと言われた人、風疹にかかったがどうかがはっきりしない人は、すぐに医療機関で風疹含有ワクチン(麻疹も予防できるので、麻疹・風疹混合ワクチンがおすすめです)を接種しましょう!
詳しくは、医療機関に問い合わせてください。
1)国立感染症研究所感染症発生動向調査 週報(IDWR)
2)国立感染症研究所 風疹累積報告数の推移2008~2013年
http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2013pdf/rube13-12.pdf
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