ドクターニュース
ぽかぽかと暖かく春の訪れを感じる日もあれば、寒の戻りの強い日もあり、服装や温度調節の難しい季節です。春休みに旅行や行楽の計画を立てている方は、体調を十分整えてから出かけるようにしましょう。後に詳しく述べていますが、関東や関西の大都市を訪れる予定の方で、成人男性・女性、お子さんで風疹ワクチンをまだ接種していない方は必ずワクチンを接種してから訪れるようにしましょう。
さて、全国約3,000の小児科定点医療機関からの報告1)によると、第10週(3月4日~3月10日)の定点あたりの報告数は以下の順となっています。
1位:感染性胃腸炎
2位:インフルエンザ
3位:A群溶血性連鎖球菌性咽頭炎
4位:水痘(みずぼうそう)
5位:突発性発疹
インフルエンザは、引き続き減少し続けていますが、定点あたり報告数は10.4と、注意報レベルの定点あたり10を超えており、今少し注意が必要です。都道府県別では愛知県(27.3)、鹿児島県(21.1)、福井県(21.4)、徳島県・広島県(21.0)と、西日本を中心に依然高くなっています。
第10週(3月4日~3月10日)の時点で、累積報告数(今年に入ってからの報告数の総計)1,656例と、風疹が全数報告となって以来最大の流行となった昨年の報告数(2,353例)の7割に達しました2)。
都道府県別では、約半数が東京都で、その他、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県と、主に都心や大都市で流行しています。春休みに入り、旅行などで人の移動が増えることで、さらなる流行の拡大が心配されています。
風疹患者の多くが20歳~40歳の成人で、男性が女性の3倍多く報告されており、これは過去に中学生の女子だけにワクチン接種を行っていたためです。
妊婦さんが風疹にかかると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を起こす事が知られており、妊娠を希望する成人女性や、その周りの成人男性(パートナー、家族、同僚)で、過去に風疹ワクチンを受けていない、また風疹にかかったがどうかはっきりしない人は、すぐに医療機関で風疹含有ワクチン(麻疹も予防できるので、麻疹・風疹混合ワクチンがおすすめです)を接種しましょう!
詳しくは、医療機関に問い合わせてください。
1)国立感染症研究所感染症発生動向調査 週報(IDWR)
2)国立感染症研究所 風疹累積報告数の推移2008~2013年
http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/2013pdf/rube13-10.pdf
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