ドクターニュース
あざやかな紅葉に、秋の深まりを感じる11月になりました。この時期は、日中は過ごしやすいですが、思いがけず朝晩の冷え込みが強い時もあるなど、衣服の温度調整が意外と難しい時期でもあります。また秋は、おいしい果物が豊富に出回る季節でもあります。旬の果物をしっかり食べて、かぜを予防しましょう。
さて、全国約3,000の小児科定点医療機関からの報告1)によると、第43週(10月21日~10月27日)の定点あたりの報告数は以下の順となっています。
1位:感染性胃腸炎
2位:RSウイルス感染症
3位:A群溶血性連鎖球菌性咽頭炎
4位:手足口病
5位:突発性発疹
1位の感染性胃腸炎※は前週比27%増となりましたが、定点あたり3.7とまだ流行開始の兆しは見られていません。都道府県別では、宮崎12.5を筆頭に、大分7.1、熊本6.6と続きます。2位のRSウイルス感染症※※は前週比13%増で、昨年と同様やや高いレベルで推移しています。ご注意ください。インフルエンザ※※※は前週比124%増の273例の報告となりましたが、定点あたり0.06とまだ低いレベルで推移しています。冬型感染症と夏型感染症の端境期(入れ替わりの時期)と考えられます。
※感染性胃腸炎:注意報の基準はありません。定点あたり20以上で警報。
※※RSウイルス感染症:定点あたりではなく全数で表示されます。注意報、警報の基準はありませんが、過去10年と比較すると2012年、2013年は高い推移で流行が起こっています。
※※※インフルエンザ:定点あたり5以上で注意報。30以上で警報。
間もなくインフルエンザの本格的な流行期を迎えます。11月中にワクチン(生後6か月から12歳までは2回、13歳以上は1回)を済ませておきましょう。発症予防効果はお子さんの場合30%~50%程度ですが、重症化予防効果が期待されます。また、2011年からインフルエンザワクチンの接種量が変更になり、特に小さいお子さんの接種量が増えたので、さらなる予防効果が期待されます。インフルエンザワクチンについて詳しくは「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」のホームページ2)をご覧ください。
1)国立感染症研究所感染症発生動向調査 週報(IDWR)
2)NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会 「インフルエンザワクチン」
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