ドクターニュース
入園、入学、進級から早くも1か月が過ぎました。とくに「はじめての入園」という一人目のお子さんのいる保護者の方々にとっては、何もかも初めてということで、とまどうことも多かったのではないでしょうか。
園に行くのが楽しくて、熱があっても行く!と言ってきかないお子さんがいれば、毎朝のように泣いて行きたくない・・・という、ちょっぴり半ベソのお子さんもいます。どちらがどうというのではなく、それぞれがその子の個性ですので、そのまま受け入れてあげてくださいね。
行きたくないというお子さんを園にあずけるのは、毎朝のことであるだけに大変です。少々つらいかもしれませんが、出勤の時間も決まっているので、そんなこと言っていられませんよね。でも、大丈夫です。その子なりのペースで、新しいお友だちにも先生にもだんだんなれてきますから。あせらずに待ってあげてください。
さて、保育園や幼稚園など、はじめて集団生活を始めたお子さんでは、この1か月はお休みのほうが多かったのではありませんか?
急に熱を出した、セキやハナが続く、夜中から吐き始めた、なかなかゲリがなおらない・・・などきりがありません。何日ぶりかでようやく行けるようになったと思ったら、すぐに園から電話が。せっかく職場復帰したのに、いったいどうしたらいいの?と、途方にくれるお母さんの顔が目に浮かぶようです。
でも、このような状況はあなたのお子さんだけではありません。お兄ちゃんやお姉ちゃんのいない第一子なら、だれでも経験することです。
集団生活を始めたばかりの3~4歳のお子さんの場合、保護者の方は強く実感されるようです。「くりかえし熱を出すのは何か重い病気ではありませんか」、「1~2歳のときは元気だったのに、なんでこんなに弱くなってしまったのでしょう」。4月から6月くらいまでは、このような質問が多く寄せられます。
でも、子どもたちが成長していくあいだに、軽い病気にかからないようにすることはできません。カゼをひいたり、熱を出したり、ゲリをくり返しながら、子どもたちは大きくなっていきます。
これらの病気は大したことのないものがほとんどです。ワクチンもありません。それぞれの病気を経験して、はじめて病気に対する抵抗力(免疫)をつけることができるのです。
これはケガも同じです。子どもが元気に遊べば、すりキズや切りキズをするのは当たり前。小さなケガを経験することで、大きなケガを防ぐ身体の使い方を経験していくのです。
でも、確実に防がなければならない病気やケガもあります。これらは絶対に経験させたらダメですよ。病気ではワクチンのあるもの、ケガでは交通事故、溺水、転落、窒息、重症のやけどなど命にかかわるようなものです。
ワクチンのある病気は、治療法がないか、あっても治療が難しいものばかり。これらはワクチン接種で確実に防いでください。ワクチン接種を忘れていて、お子さんを危険な目にあわすようなことのないようにお願いします。
今一番はやっている病気は何?と聞かれたら、突然の吐き下しを起こす感染性胃腸炎です。年末から年始にかけては全国的にノロウイルスが流行しましたが、現在はロタウイルスのほうが多いようです。
ロタウイルスによる胃腸炎はコメのとぎ汁のような白い水のようなゲリ便が特徴で、乳幼児のほとんどがくり返しかかります。最初は急に吐くことが多く、少し遅れてゲリになってきます。また、熱を出すことも多く、子どもにとっては重症になりやすい病気です。
ロタウイルス感染症は、ワクチンで予防できます。口から飲むワクチンで、効き目は抜群です。ほとんどの乳児がかかる病気ですので、ワクチンの効き目を実感しやすいと思います。
でも、このワクチンは、生まれて15週目までに1回目を飲まないといけません。すでに生後4か月になったお子さんはワクチンを受けることができません。
吐き始めた時にすぐに水分を与えると何度もくり返し吐いてしまいます。ゲリがひどくない限りはすぐに脱水になりません。まずは、あわてず、あせらないように。
最初は何も与えません。固形物は当然ですが、最初の1、2時間は水分も与えないようにして、おなかを休めるようにしましょう。
ふつうはだんだんと吐くのが収まってきますので、子ども用のイオン飲料などをスプーンで少しずつ与えていきます。時間を見て、少しずつ量を増やして与えていきます。子どもが欲しがるからといって、急いで量を増やすとまた吐きやすくなります。
イオン飲料などが飲めるようになったらたいていは大丈夫です。食事は乳製品を控えて、炭水化物中心のやわらかい食事を、少しの量から始めていきます。
あとは、おしっこが出ているかどうか、きちんと確認しておきましょう。おむつを替える時には、おむつの前の方がぬれているかどうかです。すぐにおむつを丸めるのではなく、おしっこが出ているかを注意して見るようにしてください。
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