発熱、かぜ 子どもの病気 教えて!ドクター
皆さんは病児保育室をご利用になったことがあるでしょうか?
病児保育は、20年以上前から、保護者の地域運動や熱心な小児科医によって行われてきました。現在は、全国で1000施設以上の病児保育室があります。
病児保育のやり方は、地域・施設によって様々です。診療所や病院に併設していて医師が主体となっている医療機関併設型、保育所に併設されている保育所型、病児保育施設単独型、病児をみるベビーシッターのような形の派遣型などです。
預かるお子さんの状態も様々です。病児保育と病後児保育が分かれている地域もあり、病後児保育では病児保育でお預かりするより状態が安定した時期のお子さんをお預かりすることになります。
病児保育室は、国の規定により子ども3人につき保育士1人、看護師配置も必須という体制になっています。そのため、通常の保育園保育所よりも、手厚い体制で子どもをみることとなります。医療機関との連携も密にとっているところが多いです。
病児保育室は、単なる〈病気のときの託児所〉ではありません。病気の子どもが、快適に楽しく過ごせ、よりよい保育と看護が受けられるように考えた、子どものための施設です。お父さんお母さんの就労支援ももちろんですが、まずは、病気になった子どもを最優先に考えています。
毎日違った子どもが来室します。年齢、かかっている病気も様々です。そんな子どもたちに楽しい一日をすごさせ、しかも病気のケアをし、状態の変化にしっかり気付く。これはなかなか大変なことで、病児保育室の保育士さん、看護師さんは、かなり高度な保育力、看護力を必要とします。みんな忙しい現場でがんばりつつ、スキルアップに励んでいます。
病児保育は、病気の子どもたちが集まるところです。一番心配されるのは、利用したら別の病気をもらってしまうかも、ということではないでしょうか。
病児保育室でも、通常保育と同じ程度の相互の感染はあると思います。しかし、病児保育室では、しっかり病気を見極めてお預かりしています。感染症に対しては、必要な予防策をおこなっています。そのため、通常保育にくらべて極端に感染のリスクが高い、ということはないと思います。
しかし、やはり、発熱している子どもたちをお預かりするわけですから、年齢相当の予防接種は必ずうけておいていただくことが必要です。病児保育室利用の条件にしているところもあります。
病児保育というと、子どもたちがベッドに寝かされているようなところをご想像する方も多いかもしれません。それは、全くちがいます。病児保育室では、通常の保育室と同じように、子どもたちは楽しく遊んだり、泣いたり、ごはんを食べたりしています。もちろん、横になっていた方が楽な場合にはお布団を敷きますが、熱が高くても子どもたちは大抵遊ぶ方を選びます。
保育士、看護師は、子どもを楽しく遊ばせながら、呼吸の様子、水分摂取の様子、元気や顔色などをしっかりと把握し、体調の悪化があれば、すぐに対応できるような体制をとっています。
皆さんも、お近くの病児保育室を一度見にいってみてください。楽しそうな子どもたちの姿を見たら、きっと安心して利用することができると思います。Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
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