接種スケジュール 予防接種 教えて!ドクター
子どもたちが健やかに育ってくれること。お父さん、お母さんにとって、これ以上の願いはないでしょう。私たち小児科医も、同じ思いです。
ワクチンで防げる病気は、かかってしまうととても重くなったり、後遺症を負ったりする、怖い病気です。ワクチンを受ければかからなかったのに、という思いは、もう誰にもして欲しくない。そんな思いで、小児科医はワクチンをおすすめしています。
生後2ヵ月では、ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎を受けましょう。
ヒブ、肺炎球菌は、子どもたちの命をおびやかす、細菌性髄膜炎の原因となるこわい細菌です。ワクチンを受けることで、命を守ることができます。
また、冬から春先に流行するロタウイルスは重症な胃腸炎を起こし、他にもいろいろ合併症がみられる感染症です。B型肝炎は、血液だけでなく、汗や涙、唾液などによっても感染する病気で、WHOは生後早期のワクチン接種を勧奨しています。
3種混合は、乳児を百日咳から守る予防接種です。小さい赤ちゃんに百日咳が感染すると、大変重症になります。ポリオは、今年9月から不活化ワクチンが導入となり、11月から4種混合ワクチンも受けられるようになりました。
BCGは4種混合終了後の接種がよいでしょう。
はじめてのお誕生日に、麻疹ワクチンをプレゼントしましょう。麻疹(はしか)は、昔は命定めといわれた大変恐ろしい病気です。このワクチンを受ければ、麻疹の脅威から守られます。水ぼうそう、おたふくかぜのワクチンも1歳から受けられます。大変流行る病気ですので、かかってしまう前に、麻疹風疹ワクチンと一緒に受けてしまいましょう。
その後は、肺炎球菌、ヒブ、4種混合(3種混合+ポリオ)ワクチンの追加接種も忘れずに。
日本脳炎のワクチンは一時、接種差し控えされていましたが、現在は接種できます。対象年齢外の子どもたちも、特例措置により接種が受けられます。
水ぼうそう、おたふくかぜは、様々な合併症があり、かからせたくない感染症です。しかし、幼稚園、保育所で流行が繰り返され、ワクチンを1回受けても、かかってしまうことが多いです。
水ぼうそうはワクチンを受けていると軽くすみますが、人に感染を拡げます。また、ウイルスが体の中に残って、将来、帯状疱疹という病気になるもとを作ります。かからなくするには、2回接種を受ける必要があります。2回目を受けるのは、標準は3歳ですが、最適な時期はそのお子さまの生活状況や周囲の流行状況によってかわります。主治医の先生に相談してください。
おたふくかぜは、水ぼうそうほど感染しやすくはありませんが、やはり2回接種が必要です。
生後2ヵ月から、4本のワクチンの同時接種が勧められています。お母さまたちから、こんなに小さい子に、そんなにたくさんのワクチンを一度にうってしまって大丈夫でしょうか、とよく相談を受けます。ご心配はわかります。でも、小さくて免疫力が弱いからこそ、一日も早くワクチンを受けて免疫力を高めてあげる必要があるのです。一本ずつ受けて接種の時期が延びると免疫がつくのが遅くなり、病気にかかってしまう危険性が高まります。一方、同時接種をすることは、全く危険なことではありません。世界中の子どもたちが、10年以上前から同時接種を受けていますが、問題はおこっていません。安心して受けて大丈夫です。
予防接種スケジュール表が“「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会”からダウンロードできます。
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