事故・ケガ 子どもの病気 教えて!ドクター
~予防の意識・環境整備が世界の常識です~
子どもの死因は「不慮の事故」が0歳で4位、1~4歳で2位、5~9歳では1位なのです。0歳では、窒息が多く、1歳以上になると交通事故、溺死が多くなります。子どもが悪い、親のしつけが原因などと犯人探しのようなことは意味がありません。北欧の研究では乳幼児に致死的な事を避ける教育をしても対策に繋がらないので、予防対策を推奨しています。世界保健機関(WHO)は、運が悪い、避けられないと「アクシデントAccident(事故)」だからと片付けるのではなく、「インジャリーInjury(傷害)」という言葉を提言し「予知(予防)可能な出来事である」としています。大切なのは予防が第一です。このことをふまえて対応・処置を示します。なお、応急処置後は必ず受診しましょう。
※日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)http://www.jpeds.or.jp/modules/injuryalert/
のどに物が詰まったようなら、子どもをうつぶせにして頭をやや下向き状態で背中をかなり強く5回位たたきます(背部叩打法)。うまく詰まった物が動けば、泣き出します。コブシをへそのあたりに当て、押しつける方法もあります(胸部圧迫法)。子どもは誤飲食が多いので、こんにゃくゼリー(死に至ることが多いため外国では発売禁止が多い)、あめ類、豆類、タバコ、薬品、ボタン電池、小さな物などは手の届く場所に絶対に置かないでください。ボタン電池(コイン形電池)を誤飲した場合は、短時間で食道などに損傷を起こす危険があります。
救急車連絡前にすぐに気道確保(あお向けにして頭を後ろにそらす)、そして人工呼吸と胸骨圧迫を。子どもの口に息を吹き込む(1分間に20回程度)。脈が触れない、少ない時の胸骨圧迫は、前胸部の真ん中をかなり強く押します(1分間に100回くらい)。
流水で痛みがなくなるまで十分に冷やす。早く冷やし始めるほど効果があり、服を着たままでも冷やしましょう。
頭や顔の表面は血管が密にあるため出血が多いので驚きます。出血量よりも傷の広さ、深さ、意識がどうかを観察しましょう。
頭部打撲で出血している時は、ガーゼで傷口を圧迫。意識がない、吐く、けいれんしている場合は救急車を。頭部打撲で遅れて症状が出ることがあります。1日~2日は注意深く観察しましょう。
身体の打撲では打った部分を冷たいタオルで冷やす。レントゲンで骨折などのチェックも。
すり傷・ひっかき傷で傷口が泥や砂などで汚れている時は、傷口を洗い流しましょう。消毒薬よりも流水のみがベターです。出血は、ガーゼで傷口を強く圧迫します。
子どもの健康を望むのは当然であり、もし変わったことがあれば保護者は誰かに相談したいのが当然です。そのために総務省から「救急電話相談事業」が展開されています。東京都でスタートし、大阪市などでも試行され、成果が上がっています。電話であればどこからもアクセス可能であり、電話相談により半分強が自宅待機で問題なかったとの結果も出ています。考えていることが電話相談で確認されるだけで心配も減少するわけです。最寄の市町村にある電話相談番号を見やすい場所に書いておくとよいでしょう。
ネット上にもわかりやすいものが種々ありますが、代表的なものが次です。
こどもの救急
http://kodomo-qq.jp/
準備がされていれば、余裕が少し出ますし、あわてる事も少なくなります。日頃の予防・心がけは「大難を小難に」をもたらします。ママ友とのメールでの情報交換も現代のツールではないでしょうか。
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