接種スケジュール 予防接種 教えて!ドクター
~予防接種スケジュールの立て方~
2019年は風しんと麻しんが流行しました。ワクチンの接種が遅れると感染してしまうことがあります。理想的なスケジュールでワクチンを接種しましょう。
予防接種をするのは、自分自身がワクチンで防げる病気(VPD(Vaccine preventable disease)といいます)にかからないため、VPDにかかっても軽くすませるためです。また、子孫にVPDの影響を残さないことも大切です。妊娠中の母親が風しんにかかると、 先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる危険があります。社会全体の予防接種率を高め、接種時期になる前の人や接種しても免疫ができなかった人、妊婦や病気のために接種をうけられない人などをVPDから守ることも予防接種の重要な目的です。
ワクチンはVPD(ワクチンで 防げる病気)にかかる前に接種しなければなりません。適切な接種時期は、免疫機能が成熟しワクチ ンに対する免疫を作ることができ るようになるときです。 さらに、 生まれてくる前にお母さんからも らった免疫(移行抗体といいます) が減少し、VPDの発生頻度が増加する前です。VPDにかかるリスクを考えて接種スケジュールは 決められています。接種できる年齢になったらすぐ、定期接種と任意接種を区別せずに、できるかぎり同時接種でうけることが、リスクを減らす重要なポイントになり ます。
乳児期、幼児期早期の予防接種のポイントは「生後2か月から接種を開始する」、「生後6か月まで にB型肝炎ワクチンの3回目以外 の乳児期に接種するワクチンを完了する」、「1歳からの接種を遅らせずに接種漏れを防ぐ」ことです。下記からダウンロードできるようなわかりやすい接種スケジュールを参考に接種をうけましょう。
予防接種スケジュール表が“「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会”からダウンロードできます。
インフルエンザ桿菌B型(ヒブ)と肺炎球菌に対する移行抗体は出生後早期に減少し、髄膜炎や敗血症などにかかることがあります。また、ロタウイルスワクチンは接種時期が遅くなると腸重積という 副反応が増加する可能性があります。生後2か月になったらすぐにヒブワクチン、結合型肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタ ウイルスワクチンの4種類を同時 接種しましょう。ロタウイルスワクチンは2020年10月から定期接種化が予定されていますが、接種時期が遅れないように接種しま しょう。
麻しん、風しん、おたふくかぜ、 水痘の移行抗体は、1歳までには なくなるため、感染のリスクがあ ります。 肺炎球菌による菌血症などの髄膜炎以外の侵襲性肺炎球菌感染症は、1歳から1歳半が最もかかりやすい時期です。さらに、ヒブ、 小児用肺炎球菌ワクチンは3回接種をしていても、1歳の追加免疫前には抗体価が低下するため、1 歳になったら早期に追加接種をす る必要があります。 1歳になったらすぐにMR(麻しん 風しん)、水痘、おたふくかぜ、 ヒブ、結合型肺炎球菌、四種混合(百日せき ジフテリア 破傷風 不活化ポリオ)ワクチンの6種類を同時接種します。やむを得ない場合は、 これらを2回に分けて接種します が、接種時期が遅れたり、接種を 忘れたりしないように注意しましょう。
1歳でワクチンを接種していても麻しん、おたふくかぜに対する 抗体は小学校入学前には低下してくることがあります。百日せきも 4回ワクチンを接種していても、 小学校入学頃から感染する人が増 えてきます。小学校入学前にはMR(麻しん 風しん)、おたふくかぜ、 三種混合(百日せき ジフテリア 破 傷風)ワクチンの3種類を同時接種しましょう。
キャッチアップ接種とは、推奨されている時期に接種をしていな い人に対するワクチンの接種です。 風しんの流行、麻しんの流行では接種を受けていない20から30歳代 の成人が最も多く発症しています。 麻しん、風しん、おたふくかぜ、 水痘などにかかっていない場合は、 成人でもワクチンを接種する必要があります。成人が積極的にキャッチアップ接種をうけることは、 子ども達をVPDから守っていくためにも重要です。
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