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こどもの誤飲、窒息を予防する

事故・ケガ 子どもの病気 教えて!ドクター

(2024年 秋号 掲載)

誤飲とは、食べるものではないものを口に入れ、それが食道から胃に入ってしまうことをいいます。誤嚥とは、口に入れたものが気管に入ってしまうことをいいます。生後5か月を過ぎると、乳児は手にしたものは何でも口に持っていき、誤飲や誤嚥・窒息が発生し始めます。今回は、予防について考えます。

誤飲の実態は

医療機関を受診するような誤飲の発生率は、1歳5か月までは4%、3歳未満では5%と報告されています。乳幼児が誤飲したものの中で、単品で一番多いものはタバコで、カテゴリー別では、多いものから医薬品、化粧品、洗浄剤、文具・美術工芸用品、乾燥剤・鮮度保持剤の順となっています。乳幼児の誤飲は、軽症、あるいは治療の必要がないものがほとんどを占め、一種類の物質を少量誤飲する場合がほとんどです。

窒息とは

こどもの事故の中で重症度が高いのが窒息です。窒息は瞬時に発生し、5-6分間気道が閉塞されると死亡することもあります。窒息は、気道の閉塞によって急性の低酸素血症と炭酸ガス過剰をきたします。原因としては、鼻や口の閉塞、気道の圧迫閉塞、気道内異物による閉塞、胸郭部の圧迫による呼吸運動障害、気密空間に入れられて空間の酸素が呼吸によって失われることをいいます。

生命に関わるような窒息は、歩行を開始したばかりの乳幼児や、重症心身障害児でみられることが多く、その理由として、1乳児では臼歯がないため、食物をすりつぶして適切な大きさにすることができない、2食物を大きいまま飲み込むために詰まりやすい、3食べているときに、走ったり、笑ったり、泣いたりした直後に大きく息を吸い込んで、口の中にある食べ物のかけらが気管に吸い込まれやすい、4障害児では、嚥下障害があったり、喀出力かくしゅつりょくが弱く詰まりやすいなどがあげられています。

窒息しやすいもの

ヒトは2足歩行となったため、空気の通り道と食べ物の通り道が喉頭部で交叉しており、ものを食べるという行為は、常に気道異物や窒息のリスクを伴っているのです。

窒息を引き起こすものはいろいろありますが、食物では、大きさ、形、硬度によって決まります。気道を閉塞しやすいものとして、コンニャク入りゼリー、大粒のブドウ、ミニトマト、ウズラの卵、生のにんじん、棒状のセロリ、リンゴ、ソーセージ、肉片、コンニャク、ちくわ、白玉団子、ポップコーン、ナッツ、丸いキャンデー、餅、おせんべいなどがあります。また、小さな玩具、あるいはその小部品、ビー玉、スーパーボール、硬貨、風船、ペンのキャップなどで窒息することもあります。

誤飲や窒息を予防するには

誤飲では、コイン形リチウム電池など危険性が高いものを知っておく必要があります。こどもでは開けにくいCR(チャイルド・レジスタンス)仕様の容器を使うといいでしょう。

食物による窒息の予防のためには、ミニトマトや大粒のブドウは4つに切る、硬い小片になるような食物(生のにんじん、セロリ、リンゴ片など)は避け、粉状にする、あるいはつぶすようにします。ウインナーソーセージなどは小さく切り、外皮は剥いておきます。ポップコーン、ナッツ類、固いキャンデーなどは4歳までは避けたほうが安全です。保育所の豆まきの豆で4歳児が窒息死したケースもあります。豆まきで、豆そのものを撒くのは止めてください。3歳児の口径は39㎜なので、「4歳までは、4㎝径のものは、4分割に」と覚えておくといいと思います。保護者の親指と人差し指の先をくっつけて、約4㎝の〇を作れば、物の大きさをチェックすることができます。10歳以上であれば、早食い競争や食べ物を放り上げて口で受けるなどの食べ方の危険性を教える必要があります。

 

山中龍宏先生

緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。NPO法人Safe Kids Japan理事長。東京大学医学部卒。1985年、プール排水口に吸い込まれた中学生を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会委員長等を歴任。現在、こども家庭庁 教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員等を務める。

山中龍宏

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