便秘 ママの病気・健康 子どもの病気 教えて!ドクター
健康に生きていくうえで大切なことのひとつに、食事があります。
食べ物を食べると、消化吸収され栄養になります。この栄養をいかにバランスよく摂るかが食習慣を考えるうえで重要です。栄養バランスがよい食事とは、三大栄養素であるタンパク質(肉、魚、豆など)、脂質(油)、炭水化物(ごはん、パン、糖質など)をきちんととることができる食事です。
栄養バランスを心がけながら食事をするとき、忘れてはいけないのが腸内細菌の存在です。腸内細菌とは、文字どおり腸に住みついている細菌です。腸内細菌は、人が消化吸収することができない食物繊維を分解して、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素へ変えてくれます。
また、腸内細菌には腸管免疫と呼ばれる働きがあり、健康の守り神として活躍してくれます。 この腸内細菌を子どものときからうまく調節していくことで、腸の活動を活発に保ち、体を冷やさず、健康に過ごすことができるようになります。
腸内細菌を活性化するためには、食物繊維が重要な栄養になります。食物繊維が分解されて、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、フマル酸など)になり、大腸の粘膜を活性化します。短鎖脂肪酸は、肝臓に運ばれ、カラダの代謝を上げてくれます。さらに脂肪が蓄積するのを抑えて、肥満防止になります。
食物繊維の1日必要量は、厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2020年版)で、0~2歳までは基準がなく、3~5歳が8グラム以上、6~7歳が9グラム以上、8~9歳が11グラム以上、10~11歳が13グラム以上、12~14歳が17グラム以上となっています。
食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1の割合です。バランス良く摂ることで、腸内環境が良くなります。
子どものお腹に住んでいる腸内細菌は、どこから来たのでしょう。子どもが、お母さんのお腹にいるときは無菌状態です。腸内細菌はいません。しかし、出産後3か月も経過すると、しっかりと腸内細菌がお腹の中で生活をしています。
赤ちゃんが産道を通るとき、羊水を吸い込みます。出産後、母乳を飲むとき、お母さんの肌にいる菌を飲み込みます。生活環境の中で、自然といろいろな菌を飲み込んでいるうちに、腸内細菌が出来上がります。 つまり、子どもに腸内細菌を与え、育てるのは、お母さんなんです。
腸内細菌を育てるのに、食物繊維以外にも方法があります。それは、発酵食品です。
発酵食品には、動物性食品を発酵させたチーズやヨーグルトなどと、植物性食品を発酵させた納豆や漬物などがあります。
発酵食品は、わたしたちの食生活に深く関わっています。お腹に合った発酵食品をとることで、腸内細菌を育てることができます。発酵食品の主となる菌が、みなさんもご存じのビフィズス菌・乳酸菌です。子どものお腹にやさしいビフィズス菌・乳酸菌を生活にとりいれましょう。
どの発酵食品が子どもに合っているのか、その答えはお母さんにあります。子どものお腹に最初に入る腸内細菌は、お母さんから譲り受けた腸内細菌でした。お母さんから受け継いだものなのですから、お母さんにとっていいものは、子どもにとってもいい可能性が極めて高いのです。親である自分がよく食べていて体の調子を整えてくれる実感がある発酵食品を、子どもと一緒に継続的にとり入れてみましょう。
親子で同じものを食べることで続けやすく、腸内環境のバランスを整える食事を習慣化することで、家族みんなの健康につながります。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう