歯 子どもの病気 教えて!ドクター
乳歯が生え始めたら歯みがきの習慣づけを始めましょう。
まずお子さんを仰向けに寝かせ、頭を保護者の方のひざの上にのせ、お口の中をよくみてあげてください。清潔な指で口の中を触ることもよいでしょう。お子さんは特に上唇の裏を触られるのを嫌がります。少しずつしてあげるとお子さんは口をいじられることに慣れてきます。
初めのうちは、乳児用の歯ブラシで1~2回ちょんちょんと歯に触れる練習から始め、歯ブラシの刺激に慣れてきたら、歯を見ながら1本ずつ優しくみがきます。1本5回くらいで十分です。強すぎたり、長すぎたりしてお子さんが嫌にならないように気をつけましょう。上手にできたことを褒めてあげることも忘れないでください。また上唇をめくるとミルクのカスがついていることがあります。この部分は唾液による洗い流す効果が少ない場所なので、ガーゼで拭うなどしてあげるとよいでしょう。
歯ブラシに慣れることが目的の時期は、お子さんの機嫌のいい時間帯や、保護者の方の余裕のある時に行い、慣れてきたら毎食後習慣となるように、徐々に増やしていきましょう。寝ているときは唾液の分泌量が少なくなるため、むし歯菌(ミュータンス菌)が繁殖しやすくなります。寝る前は必ず仕上げみがきを行ってください。
歯みがきを嫌がる場合はやさしく話しかけたり、歌を歌ったりして笑顔でみがいてあげてください。また、寝かせみがきをする時は、時間をかけずに効率よく行うことです。大切なことは、毎食後に歯みがきをする習慣をつけることです。お風呂を嫌がるお子さんでも、保護者の方はいろいろと工夫しながら毎日お風呂に入れ、体を清潔に保ちます。お口の中も体の一部なのです。毎日きれいにする習慣をつけましょう。
なお、保護者の方のみがく力が強すぎて痛い場合や、上唇小帯という上の前歯に張り出している小帯(すじ)のヒダ部分に歯ブラシが当たり、歯みがきを嫌がることがあります。力加減に気をつけて、歯ぐきに強く当てないなどにも注意を払ってください。保護者の方の指でしっかりと上唇をめくり、小帯(すじ)が見えるようにします。その後、小帯をさけて一本ずつ磨くようにします。
歯が生えた後、唾液中に含まれるカルシウムが歯に付き、さらに硬くなります。だから生えて間もない時期の歯は、まだ十分に硬くなっていないため、むし歯になりやすいのです。フッ化物は、歯を硬くする作用があり、乳歯・永久歯に関わらず、生えた直後に塗るのが最も効果的です。まずは下の前歯が生えてきたころから定期的に歯科へ通い、上下の前歯が生えてきたらフッ化物の塗布を行ってみてください。また、うがいができない年齢でもフッ化物を塗布することは可能です。ただし、フッ化物はむし歯予防の万能薬ではありません。塗ったからといって安心せず、歯みがき習慣やきちんとした食生活をすることも大切です。
自我の芽生えとともに、何でも自分でしたがることが増えてきます。歯みがきもそのひとつと思います。自分でしたがる気持ちを大切にしてあげてください。しかし、大人でもしっかり歯みがきをすることは難しいことです。自分でしっかりみがけるようになるまでは、保護者の方のサポート(仕上げみがき等)が必要です。大事なこととして、歩行の発達が未熟な幼児期は歯ブラシをくわえたまま転倒し、喉を突いたりする事故に繋がるケースがあります。自分で歯ブラシを持つ時は座る約束等をして、保護者の方は事故が起きないようにしっかりみてあげてください。
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