皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
夏は太陽がギラギラと照りつけ、プールや海、山などに出かけて自然を満喫すると、本当に気持ちが良くなる季節です。でも赤ちゃんにとっては、気持ち良さよりもその裏側に潜む危険や注意することのほうが多いのです。
山や海、公園などへお出かけすることは多いでしょう。芝生の上や木陰は自然と触れ合う最適の場所かもしれません。でも要注意です。蚊やダニ、毛虫、その他いろいろな虫たちは人間を見つけるとやってきます。そして皮膚の露出しているところだけでなく、服の中まで虫たちは入っていきます。
蚊やダニの場合、刺されたところから血を吸われると、その場所が赤くはれてかゆみを生じます。毛虫の一種であるチャドクガの幼虫はその毛(毒針毛)に触れると小さな赤い発疹が多数出現し、強いかゆみが生じます。特にツバキやサザンカなどは要注意で、そのそばにいるだけでも毒針毛が降りかかってくるかもしれません。
虫は汗のにおいや湿気に敏感ですから、まずは清潔を保ち、長そでなどで皮膚の露出を抑えるなど予防することが必要です。虫よけスプレーも一定の効果がありますが、使用に注意が必要で、イカリジン配合のものは使用制限はないのですが、ディート使用のものは、6か月未満では使用禁止、2歳までは1日1回、また顔には使用しないことなどとされています。毛虫の場合はできるだけいそうな場所(木のそばや下)に近付かないことです。刺されてしまった場合は、少し冷やすとかゆみが一時的に引きます。かゆみ止めの軟膏やクリーム、ステロイド剤などを必要に応じて数日使用します。しこりを感じたり部位が広範囲な場合は早めに専門医を受診してください。
また日中の屋外は、日焼けをしやすいですから、日傘や帽子や長そでなど紫外線を少しでも和らげるような工夫が必要です。もちろんまったく日に当たってはいけない訳ではありませんから、場所や時間によって注意する度合いを変えていただければ結構です。ベビー用などの日焼け止めクリームは夏の必需品ですが、汗をかいたら落ちてしまい効果が半減しますので、2時間を目安に塗り直しがベターです。
少しほてりがある場合は市販のローションなどでケアをし、かゆみが出る場合はかゆみどめやステロイドを少量使用します。
気温が高くなると発汗が多くなり、あせもを作りやすくなります。これは大量の汗をかいた時に、何らかの原因で皮膚の中に汗が溜まり、その結果小さな赤い発疹が生じたものです。汗が溜まっただけでは白い発疹とわずかに皮がむけた状態(水晶様汗疹)で、翌日には自然に消退しますが、赤いもの(紅色汗疹)はかゆみやヒリヒリ感を伴い、拡大することもあります。特に体幹に多く見られます。
予防としてはシャワーや入浴、着替えなどを適宜行います。症状がひどくなると掻きむしったりして細菌感染が合併することもあります。市販のかゆみどめなどでおさまらない場合は、内服が必要になる場合もありますので早めに専門医を受診したほうがいいです。
赤ちゃんはかゆければ掻く(こすりつける)という行動をとります。夏は細菌感染を伴い、いわゆるトビヒになる場合もまれではありません。予防できることはできるだけ実行し、それでも症状が出てしまったときは、早めの治療がのちの合併症を防ぐことになります。市販のかゆみどめなどは「常備薬」としていつも手元に置き、また散歩などには持ち歩くこともいいのではないでしょうか。
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