便秘 子どもの病気 教えて!ドクター
「ずっと大声で泣きっぱなしです」と救急病院を受診する赤ちゃんがいます。そのような赤ちゃんの中には便秘の赤ちゃんもいます。えっ! 便秘ぐらいで救急病院に?と思われるかも知れません。しかし、便秘の時にはびっくりするくらい大泣きをしますし、あやしてもあやしても泣きかたがどんどんひどくなる、というのが定番です。
実は発熱と同じくらい、便秘は急患で受診することが多い病気の一つなのです。ただ便秘は普段からの対処で、急患で病院にかけ込む事を防げる病気ともいえます。
真夜中に赤ちゃんが泣き出してからあわてないように、便秘のことを知っておいてください。
便の回数が普段よりも少ない状態や便が普段よりも硬い状態です。ただ、赤ちゃんによって正常の便の回数や固さはいろいろです。たとえば母乳だけの赤ちゃんでは1週間近くうんちが出ないこともあります。母乳が殆ど吸収されてカスが残らないことがあるからです。このような時はたとえ便が出なくても便秘ではありません。
毎日うんちが出ている赤ちゃんでも、コロコロだと便秘の可能性があります。救急病院にかけ込む便秘の赤ちゃんでも、「うんちは毎日出ています」といわれることも多いのですが、浣腸したら、たっぷりうんちが出てきます。毎日出ていても、うんちが“はみでている”状態だと便秘です。
きばっている時間が長い、便が硬い、以前よりおならが臭い、食欲が落ちている、などサインがあれば、うんちが毎日出ていても、便秘かもしれません。回数や硬さのほかに、うんちの出かたが良くなければ、便秘です。
うんちは食べ物が消化されたあとの残りカスです。母乳やミルクの飲みが悪かったり、離乳食の量が少ないと便秘になることがあります。汗をかきやすい時期にも便秘が多くなるともいわれています。ただ、いつのまにか便秘になっていた、ということが最も多いようです。腸や肛門の病気で便秘になることもあります。
おへそを中心にして「の」の字をかくようにマッサージをしてあげましょう。
綿棒の綿の部分にオリーブオイルなどの潤滑剤を付けて肛門に1~2cm優しく入れて刺激をすると便が出やすくなります。この方法は事前にかかりつけの病院でお医者さんや看護師さんに実技指導をしてもらいましょう。
母乳の量、ミルクの量が十分かどうかは、体重が順調に増えているかどうかで解ります。母子手帳の中に身長体重曲線のページがありますので、時々体重増加が良好か確認してみましょう。
離乳食を開始している赤ちゃんは食事の内容をチェックしましょう。赤ちゃんによって離乳食の量は違いますし、好き嫌いのある子もいます。量や内容は赤ちゃんによってケース・バイ・ケースですので、かかりつけ医や、保健センターの保健師さん・栄養士さんに相談すると良いでしょう。
便秘で赤ちゃんが大泣きしたり、うんうん言い出す、という状態になる前にかかりつけ医で対処しましょう。
①普段より便の回数が減ったり硬くなった②きばる時間が長くなった③出すときに痛そう、などで相談するのが良いタイミングです。
便秘と診断した場合は、グリセリン浣腸でうんちを出します。便秘が食事や生活習慣に関係するものと考えた場合は、それらの指導をします。場合によっては内服薬や坐薬・浣腸液を処方することもあります。
便秘が腸などの病気が原因と考えられる場合は、診断をするためにエコー検査やレントゲン検査などをすることがあります。
うんちやおしっこは体の状態を直接見ることができる貴重な材料です。赤ちゃんの場合にはご両親は毎日おむつ交換のときに見ているはずです。
かたい、ゆるい、においがおかしいなど、いつもと違うな? と思ったらおむつごとかかりつけ医に見せてください。
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