歯 子どもの病気 教えて!ドクター
口の中をきれいにし、むし歯予防のために行う歯磨きは、子どもにとって、大切な生活習慣のひとつです。歯の生え方の違いによって、仕上げ磨きの仕方やコツも異なります。
歯がまだ生えていない時期は、基本的にケアする必要はありません。前歯が生えてきたら、食べた後、濡れたガーゼなどで歯を拭くようにしましょう。このとき、人差し指にガーゼを巻き付けて拭くと簡単です。あまり強くこすり過ぎないように注意してください。この時期から口の中を触られる感覚に慣れておくと、歯磨きへの抵抗を少なくする事ができます。
上下の前歯4本が生えそろったら、歯ブラシを使って歯磨きを始めてみましょう。歯ブラシは、ヘッドが小さく、毛足が短めのものを選んでください。まずは1日1回、機嫌の良い時に仰向けに寝かせ(寝かせ磨き)、歯ブラシを鉛筆持ちで軽く握り、上の前歯から磨きます。歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に注意しながら磨きましょう。このとき、上唇小帯(上唇の裏側と前歯の間にあるひだ)を傷つけないように、歯ブラシを持っていない人差し指を横にして上唇小帯の上に乗せ、少し上唇を持ち上げて、歯ブラシが当たらないように磨くのがコツです。歯ブラシで歯以外のところを磨いてしまうと、とても痛く、子どもが「歯磨き嫌い」になるきっかけになりやすいので気をつけましょう。もし歯磨きを嫌がったら、早めに切り上げてください。下の前歯は、唾液に触れやすく、むし歯になる確率が低いので、多少不十分でもかまいません。この時期は、きちんと磨くことよりまずは歯磨きに慣れていくことが大切です。
奥歯が生えてきたら、口の中にむし歯菌が定着し始めてむし歯になる危険性が高くなるので、本格的に歯磨きを開始しましょう。しかし、子どもに自立心が出てきて、以前よりも歯磨きを嫌がることがあります。歯ブラシを持たせて、まずは自分で好きなだけ磨かせてみましょう。この時期は、歯ブラシによる事故(歯ブラシを口に入れたまま歩いて転倒する、など)も多いので、目を離さないよう気をつけてください。溝が複雑でむし歯ができやすい奥歯の咬み合わせ面と前歯の歯と歯の間を中心に、必ず最後は保護者が仕上げ磨きをしてください。
頬をふくらませて、ブクブクうがいの練習をしましょう。この時期には、歯ブラシにペースト(フッ素入り歯磨き粉)をつけて磨くことも可能です。歯ブラシの毛束の半分量を目安に少なめのペーストで、自分でも上手に磨けるように練習させましょう。でも、子どもだけの歯磨きではまだ不十分なので、仕上げ磨きが必要なことは忘れないでください。特に奥歯の歯と歯の間にむし歯ができやすい時期なので、気をつけて磨いてあげましょう。糸付きようじ(デンタルフロス)を使って、歯と歯の間を掃除するのも効果的です。
ちなみに、仕上げ磨きは、歯ブラシがあたりにくく、生えている途中でむし歯になりやすい第一大臼歯(6歳臼歯)が生えそろうまではしてあげてくださいね。
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