皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
気象庁の秋の定義は9月から11月だそうです。4つの季節がきちんと順番に来て、それぞれの季節を満喫できたのは昔のこと、昨今では地球の温暖化でとんでもない時期に真夏日が来たり、春や秋が短く、あたかも冬と夏だけの日本になったような気さえします。とはいえ、季節は移り替わっていきます。短くとも秋の子ども達の皮膚については、大きく二つ、夏の名残りに対する処置、さらに冬に備えての処置があります。
実際に9月はまだまだ暑くて、子どもは汗をかき、汗疹(いわゆるあせも)になることも珍しくありません。頸の周り、わきの下、肘窩・膝窩などのくびれたところは好発部位です。おむつかぶれも起きやすいので、おむつの交換のつど、便や尿をきれいに始末してあげます。
乳幼児は汗腺も機能が未熟で、環境の変化に追いつかないこともあります。汗をかいたらシャワーや入浴でさっと流してあげます。無理な場合は濡れタオルなどで汗をぬぐい取ります。きれいにしたら保湿剤で、ケアしてあげましょう。
日本では紫外線量は季節・天候・時刻などに左右されます。季節は概ね6月から8月、1日中では正午頃をピークに10時から2時ころに紫外線量が多いのですが、9月もまだまだ紫外線は多く、日焼けに注意する必要があります。長時間外でいるようなときはサンスクリーン剤を塗ってあげましょう。無香料・無着色、日常生活ではSPF15~20くらいが目安です。ただし、あまりに神経質になって、外へ行かないのは困ります。適度な外出で、紫外線はビタミンDの産生を助ける役目もあります。
少し気候が良くなると、野山へも出かける機会が増えるでしょう。草むらで虫に刺されることがあります。乳幼児・小児は虫に刺されると赤く腫れやすいので、あらかじめ虫よけスプレーも必要です。乳幼児にはDEET配合よりイカリジン配合が好ましいとされます。虫刺されを掻きむしってとびひにすることが少なくありません。前もって虫よけ対策をしてあげましょう。虫にもよりますが、刺されたら、冷やしてあげます。虫刺されの腫れがひどければ皮膚科を受診するのも必要です。
万一、ぐじゅぐじゅ滲出液が出て、とびひになったら早めに皮膚科へ行って治療してもらいましょう。引っ掻かないように爪は短く切っておきましょう。
秋が深まり、涼風が心地よいころになると、肌はやや乾燥し始めます。
真冬は皮脂腺や汗腺の機能が不活発になり、肌は乾燥しますが、秋からそれに備えてあげるといいでしょう。すなわち、保湿剤を塗ってお肌の手入れです。シャワーや入浴後に保湿剤を塗ります。水分をきちんとふき取り、保湿剤を塗ります。ごしごし擦り込むのではなく、そっとやさしく塗り伸ばす感じです。皮膚は乾燥するとかゆみを覚えます。乳幼児は生後数か月間はすべすべですが、その後は思春期ごろまで皮膚は乾燥しがちです。外部から保湿剤を補う必要があります。シャワー・入浴の後、10~15分くらいの間のまだ肌がしっとりしている間に保湿剤を塗ります。
夏はべたつかないさらっとした保湿剤が肌触りも良く、保湿効果もありましたが、秋になれば少ししっとりタイプがよくなり、冬が近づけばワセリン基剤などのかさつきを十分に抑えてくれるものを塗りましょう。
引っ掻いて湿疹になったらステロイド軟膏を塗る必要がありますが、乳幼児にはその病状、部位によってステロイドの強さや塗る量を選ぶことが重要ですので、皮膚科へ行って、処方してもらい、塗り方も教えてもらいましょう。
秋口から乳幼児の皮膚の手入れをして冬の乾燥で皮膚を掻きむしることがないようにしたいものです。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう