アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
じんましんで受診した時、診療内容に満足できなかった経験はありませんか? それは、原因が特定できないことが多く、決め手の治療法に欠けるからです。よく説明しないと、患者さんの期待と実際の診療とのギャップを埋めることが難しいと感じます。
じんましんとは突然皮膚にできる痒くて赤い(時には白い)蚊にかまれたようなふくらみです。大きさはいろいろですが、掻くとどんどん広がります。ふつう、数時間もすれば自然に消えていきますが、他の場所から次々に出てくることもあります。今までアレルギー体質ではなかった人、健康に自信があった人でも、ある日突然出てきます。
アレルギー反応あるいは、それ以外の原因で、肥満細胞とよばれる白血球の中から、ヒスタミンという物質が出ます。ヒスタミンが皮膚の中にある毛細血管の目を荒くするため、その中を流れている血液の液体成分が血管外に漏れ出て、水ぶくれをつくります。また、ヒスタミンは神経を刺激して痒みをおこします。この水ぶくれと痒みがじんましんの正体です。
卵、乳製品、小麦、大豆、魚、エビ、カニ、貝、そば、チョコレート、ナッツ類、食品添加物など、多くの食物がじんましんの原因となります。その他、日光(紫外線)、熱、寒冷、運動、汗、仕事や育児などの精神的ストレス、物理的刺激(引っかく、圧迫、接触など)、細菌やウイルスの感染、動物の毛、花粉、ホコリ、ダニ、昆虫、金属、薬、化学物質なども原因となります。特定のものを食べたり、接触してから1時間以内に出る場合は、原因がわかりやすく、同じことが2回、3回と繰り返されれば、確実と思われます。しかし、実際には、複数の原因が絡んでいることがあり、原因を特定できないことが多いです。また、同じ原因があっても、必ずしも毎回じんましんが出るとは限りません。環境や体調の悪いとき、夏場に出やすい傾向があります。
じんましんにともなって、息が苦しくなったり(のどの腫れや気管支喘息の発作)、お腹の症状(腹痛、嘔吐、下痢)がでたり、ぐったりして意識が遠のいたりする場合(ショック状態)があります。これらは、体の内部にもじんましんが出ている危険なしるしなので、直ちに病院を受診する必要があります。
何日もじんましんがひかない場合、繰り返し出る場合は受診をおすすめします。ヘルペスや溶連菌などの感染症とまぎらわしいことがあります。また、他の病気の一症状のことがあります。単純なじんましんなら、自分に合った抗ヒスタミン剤(抗アレルギー剤)、ステロイド、漢方薬などを、一定の期間処方してもらいます。
確実な検査法はありません。一般的なものは、いわゆるアレルギー検査で、血液中のIgE抗体を調べます。この値が高いものは原因である可能性があります。皮内注射や、疑わしいものを実際に食べさせたり接触させて、体の反応を見る検査もあります。
状況や検査によって原因がわかったなら、可能な限りそれを避けることが一番です。病院で処方されたものを続けるのもよいでしょう。ストレス、睡眠不足、脂っこいもの、甘いもの、刺激物(香辛料など)のとりすぎはじんましんを出やすくします。体調を整え、和食中心の食事で、ビタミン類を十分とっていると、出にくくなります。じんましんが出てしまうと、軟膏をぬったり冷やしたりして、できるだけ掻かないようにします。
体調が回復すると、いつの間にか出なくなることが多いので、過度に心配する必要はありません。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう