皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
妊娠すると、匂いに敏感になったり、味に敏感になったりする人がいます。これはどうしてなんでしょう。もしかしたら自然が大切なことを教えてくれようとしているのかもしれません。
一方、現代日本の状況はママたちにとっては幸せな時代でもあり、不幸な時代でもあると私は思います。なぜなら、日本という国は世界中でもっとも赤ちゃんの死亡率が低い国だからです。どんな状態からでも助けられる確率が世界一高いという幸せです。一方でインターネットやマスメディアで怖い情報や、非科学的な商品を売りつけるための情報もあふれかえっているせいで、本当に正しい情報にたどりつくことが難しくなっているという不幸もあります。そんな皆さんへ、誰にでもできる子育ての秘訣をお伝えしたいと思います。冒頭にお伝えした通り、匂い、味など体の感覚に注意をむけて欲しいのです。どうかすると、体温計の数字やインターネット画面にばかり目がいってしまいがちです。ここはひとつ、デジタルなものは横に置いて、赤ちゃんを五感で受け止めて欲しいのです。
赤ちゃんの体温はいつもとどれくらい違うか手で感じてみてください。部分によって違ったり、汗をかいていたり、たくさんのメッセージがかくれています。匂いはどうでしょうか。おしっこやうんちの匂いがいつもと違わないでしょうか。肌の色や泣き声を見分けたり、聞き分けたりできるでしょうか。
ぜひご自分の赤ちゃんの世界一の専門家になって欲しいと思うのです。
東洋医学では身体の状態を分析する方法がいくつかあります。そのうちの一つが気血水という概念です。現代にあてはめると「気」はエネルギー、「血」は血液、「水」は体液と言い換えても良いでしょう。赤ちゃんは体内に含む水分の割合が大人60%と比較して約70%と大きいので、水分代謝のバランスを崩しやすいのです。
くわえて日本はどうしても気温や湿度の関係で赤ちゃんが汗疹などの皮膚トラブルをおこしやすい国でもあります。
衣類の繊維による皮膚刺激もありますし、布の通気性は赤ちゃんの熱や水分の移動に大きく影響します。環境によっても大きく気温、湿度はかわります。こまめに赤ちゃんの衣服が着せすぎになっていないか、汗がたまってないか触ってみてあげてください。
汗疹には3種類ありますが、このうち、赤ちゃんにトラブルをおこすのは「紅色汗疹」がほとんどです。汗を分泌するパイプのつまりが原因で、かゆくて、もりあがった小さい赤いつぶつぶが、首や足のつけね、脇の下など汗のかきやすい場所にできやすいのです。これを掻きこわしてしまうと、つぶつぶだけでなく皮膚全体が赤くなってきたり、バイキンがついて「とびひ」をおこしたりしてしまいます。
一番の対策は、汗を分泌するパイプがつまらないように、涼しい部屋で1日数時間すごすだけでも改善してきます。前述した、服の着せすぎやこすれにも気をくばりましょう。また、石鹸をつかいすぎると皮膚がもっているバリア機能を壊してしまいます。きれいな肌なのにたくさんの石鹸をCMのようにつかって、バリアに必要なあぶらまで落としすぎないように気をつけてください。皮膚の清潔には小まめなシャワーだけでも、汗はおとすことができます。楽しく赤ちゃんとすごすためにも、五感をつかって皮膚をしっかり観察してみてくださいね!
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