歯 子どもの病気 教えて!ドクター
むし歯は、「歯質」「糖」「むし歯菌」が相互にからみ合って起こる病気です。むし歯菌は、砂糖を食べることにより、口の中に粘着性の歯垢をつくります。そして、この歯垢を格好のすみかとして、歯の表面に停滞し、再び砂糖を食べることにより酸を作ります。歯垢の中で作られた酸は、歯に直接的に作用するため歯を溶かし、むし歯を進行させるのです。つまりむし歯の発生には、歯垢の存在が大きな要因となります。
それでは、歯垢を作らないためにはどのようにすれば良いかを考えましょう。砂糖を制限すれば歯垢はできませんが、全くお菓子を与えないならばお子さまにとってかなりの精神的苦痛になるものと思われます。適切なおやつの与え方をしていればむし歯になることはありません。むし歯予防に重要な砂糖の制限とは、砂糖の量よりも回数が問題となります。特に、食べた後の20分間が重要となります。
ここで、上図のA君とBさんの一日の生活を例にあげて考えてみます。A君は一日5回のおやつをとっています。Bさんは、A君の一日のおやつと同じ量を一度に食べています。さて、どちらの食べ方がむし歯になりやすいかを考えてみてください。
食べる量は同じですので、“食べている時間”は同じですが、“食べた後の時間”は、A君の方が多くなります。一日に換算するとBさんより長く、つまり歯が汚されている時間が長くなり、歯がそれだけ溶かされてしまいます。おやつの時間を決めて規則的な生活習慣を身に付けさせることがむし歯予防には重要となります。
しかしながら、お子さまが空腹のため泣いてぐずってしまう経験があるかと思います。その時には、市販のお菓子を与えるのではなく、手作りおやつ、果物などを与えるようにしてください。手作りおやつは保護者の方が砂糖の量を調節でき、また果物では含まれる糖分に歯垢をつくる成分が含まれていないことが多く、むし歯になりにくいと考えられます。幼少のお子さまの場合は、市販のおやつと、手作りおやつ、果物などを上手に組み合わせて、生活リズムを整えていってください。
年齢あるいは個々人により、むし歯の発生部位、むし歯の発生原因となる生活習慣・環境は変わっていきます。育児は長丁場ですので、そのような変化するお口の環境と向き合い、要領良く、保護者の方、お子さまがお互いに楽しくむし歯予防をすることが重要です。
上手に楽しいおやつの与え方を行い、むし歯がなく健康なお口作りのためにがんばりましょう!
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