歯 子どもの病気 教えて!ドクター
お子さんがニコッと笑ったとき、ピカピカの白い歯が見えるといいですね。きれいに生えてきた乳歯、永久歯に生えかわるまで、大切にしてください。むし歯になったら、ちょっぴりがっかりです。からだの成長に必要な栄養も、健康な歯でよく噛んで食べることで摂取されます。
「よく歯を磨かないとむし歯になる」とか「甘いものをたくさん食べているとむし歯になる」って聞いたことありませんか。どうしてなのでしょう。少しむし歯のでき方を考えてみましょう。
むし歯は4つの要因が重なりあったときにできます。むし歯菌(ミュータンス菌)、歯を溶かす酸を細菌が作るエネルギーとなる食べ物(特に糖分)、酸にさらされている時間、そして歯の質(酸に対する抵抗性)です。(上図)
むし歯菌は乳歯が生え揃う2歳後半では、約60%の子どもの口にいるといわれています。むし歯菌の数が多いほど、むし歯が多い傾向にあります。でもむし歯菌がいてもむし歯のない子どもも大勢います。それは他の要因、食べ方に注意したり、歯の質を強くしたりしているからです。
一番大切な歯磨き、むし歯菌を少なくしたり、むし歯菌のエネルギーとなる食べ物をきれいに取り除いたり、歯を溶かす酸にさらされている時間を短くしたりする効果的な予防ツールです。
食べたら磨くのが基本ですが、夜寝る前の歯磨きは特に大切にしてください。一日の口の汚れを落として寝ると、寝ている間にむし歯菌が活動するのを防ぐことができます。でも、優しく磨いてあげてください。お話ししたりしながらすると、お子さんとのコミュニケーションタイムにもなります。
お出かけしていて歯磨きができないときなどは、お水やお茶を飲んだり、ぶくぶくうがいしたりするとよいでしょう。
歯の質を強くするフッ化物もいいですね。前歯が生え揃ったら使い始めるといいでしょう。フッ化物が含まれている子ども用の歯磨き粉もたくさん出ています。成分表示を見るとわかります。歯医者さんで、もう少し濃度の高いフッ化物を塗ってもらえば、さらに効果的です。
「甘いものは食べさせません」といわれるお母様もいらっしゃいます。糖分は子どもの成長にとって大切な栄養です。食べ方に注意すれば、それほど神経質にならなくても大丈夫です。
食べる量ではなく、食べる回数に気を付けることが秘訣です。食べる回数が増えると、お口の中で歯を溶かす酸にさらされている時間が長くなり、むし歯ができやすくなります。だらだら食べないで、1日3回規則ただしく食べましょう。おやつ(間食)も子どもにとっては大切なエネルギー補給の機会です。上手にあげてください。
間食は時間を決めて、遊びながらだらだら食べたりしないように気を付けましょう。歯に粘つくものをさけたり、飲み物はお茶やお水にしたりすることもむし歯を予防するコツです。
よく噛むことも大切です。よく噛むと唾液がたくさん出て、歯についた汚れや歯を溶かす酸が洗い流されます。何回も噛むことで、歯とほっぺたや唇が触れることで、歯の表面の汚れが擦り取られます。
柔らかい食品は何回も噛まずに飲み込めてしまいます。硬いものでなく噛みごたえのある食べ物を取り入れるとよいでしょう。
おいしい食べ物をみんなで仲良く食べることは、子どもの成長にとって大切なことです。食べ物に気を付けるのではなく、上手に食べるようにするとよいでしょう。歯磨きも、お母さんに口の中をきれいにしてもらって、気持ちよさや大切にされている気持ちを体験する大事な機会です。お母さんも笑顔で楽しく磨いてあげてください。
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