アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
近年、乳幼児から成人に至るまで、何らかの食物アレルギーの症状を起こす人が増えています。なかにはごく微量の誤食をしただけで重症な症状(アナフィラキシーショック)を起こす人もいれば、たくさんの食品に反応してしまう人など、重いアレルギーの人が増えています。
外食や、中食で実際に口に入れる物に、何が原料として使われ、何がどのくらい入っているかは今までは全くわかりませんでした。そこで、アレルギー症状が起こるのを避ける目的で、平成14年4月以降に製造・加工・輸入された加工食品にアレルギー症状を引き起こす物質(以下アレルギー物質)を表示する制度が始まりました。
表示されるアレルギー物質は、「必ず表示しなければならない7品目(特定原材料)」と「表示が勧められている20品目(特定原材料に準ずるもの)」があります。
アレルギー表示されるのは、「加工食品」が対象になっています。「加工食品」とは、あらかじめ箱や袋、缶やびんなどの容器に包装されているものを指しています。したがって、店頭で量り売りされてる総菜やパン、注文してからつくられるお弁当などには表示義務はありません。また、容器包装の面積が30cm2以下の小さなものも、小さすぎて表示する場所がないために、表示が免除されています。それらをわかりやすくまとめてみました(表2)。
表示が義務づけされている「義務7品目」は、必ず表示されます。しかし、推奨された20品目は、いわゆる任意表示なので、「使用しているか、否か」を表示するかどうかは企業の自主判断に任されています。アレルギーをもつお子さんにとっては、たいへん中途半端な感じがしてなりません。
よい例を示します。永谷園さんから発売されているアレルギー対応食品シリーズ(A-Label)をご紹介します。パッケージの裏の一番目立つところに27品目を表示してあり、わかりやすい表記の典型例といえます。
アレルギー表示の方法としては、原材料ごとにアレルギー物質が表示される場合が一番望ましく、「個別で表示」といいます。個々の原材料になになにを含むと表示するのではなく、使われているアレルギー物質が原材料の最後にまとめて表示される場合があります。これを「一括で表示」といいます。また、同じアレルギー物質が何度も出てくる場合は、二度目以降、表示を省略してもよいという省略規定もあります。
「一括で表示」や省略された表示では、どの原材料に、どのアレルギー物質が含まれているか明確ではありません。一番困るのは、たくさんの食品が詰め合わされて入っているもので、駅弁やコンビニ弁当などのお弁当類がその代表的なものです。
限られたスペースにわかりやすく表示するのはまだまだ工夫が必要ですね。
ここで紹介した表示は平成28年現在のものですが、より理解しやすいものを目指して改良を加えられています。詳しいことは消費者庁のホームページを参照してください。
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