子どもの病気 教えて!ドクター
お子さまのお母さまから「くすりを飲ませるのに苦労する」「くすりを飲ませると泣いて吐いてしまう」という声をよくお聞きします。皆さまは、お子さまにおくすりを飲ませるのにどうしていらっしゃいますか?
粉のおくすり、いろいろありますね。製薬メーカーも工夫を重ね、飲みやすい味や香りをつけたり、苦味が遅く出るような技術を開発しています。先発医薬品よりかえって後発医薬品(ジェネリック医薬品)の方が、飲みやすい味になっていることもありますので、かかりつけの薬剤師さんに、同じ成分で飲みやすいおくすりがあるかどうか相談されるといいと思います。
よく使われる粉のおくすりの味、香りを表にまとめました。(表1)
では、お子さまが嫌がらずにおくすりを飲ませるコツ、これはお子さまの年齢により違ってきます!
① 新生児期(生後0〜1ヵ月未満)、乳児期(1ヵ月〜1歳未満)
味覚は十分に発達していないので、味でくすりを飲むことを嫌がる例は少ないです。満腹で飲めなかったり、ミルクと一緒に吐いたりすることもあるので、くすりの効き目に問題がなければ授乳前が服用させやすいタイミングです。
飲ませ方としてこんな方法があります。
★練り団子法
粉のくすりを水で練って、味を感じにくい上あごや、ほっぺの内側にくっつけて飲ませます。
★スポイト法
水を混ぜてシロップ状にした散剤をスプーンやスポイト、哺乳瓶の乳首を使って飲ませます。
主食であるミルクやおかゆに混ぜることは、主食の味が変わって、その後、主食を食べなくなることもありますので絶対にやめましょう。
② 幼児期(1〜5歳)
新生児期、乳児期と異なり、味覚も発達し、本人の意思も出てくるので、おくすりを飲ませにくくなる年齢です。工夫が必要となります。左記の方法に加え、
★飲食物に混ぜる方法
アイスクリームやゼリー、ヨーグルトなどに混ぜる方法。このとき、混ぜない方がよいおくすり、混ぜてはいけないおくすりもあるので、必ず薬剤師さんに相談しましょう。
★オブラートを使う方法
丸型、袋型が市販されています。どちらとも薬剤をくるんだあと、一度水で湿らせて飲ませることがコツです。水で湿らさずに飲ませると、口の中にオブラートが張り付いて破けてしまい、粉が出てしまうことがあります。
★市販の服薬補助ゼリーを使う方法
酸性のフルーツ味と中性のチョコレート味があります。ある種類の抗生物質は酸性になると苦みが増しますので、中性のゼリーを選ぶようにしましょう。わからない場合は薬剤師さんに相談してください。この服薬補助ゼリーは、どんな薬剤とも相互作用が起きず、口の中で薬剤より早く溶けない工夫がされています。離乳中期頃のお子さまから、ご使用になれます。
③ 学童期(6〜12歳)
おくすりを飲むことに対して理解できるようになり、本人への病気や薬についての説明、指導が重要になります。お子さまの年齢、理解力に合わせた親子のコミュニケーション力がおくすりを飲ませるコツとなります。
お子さまにおくすりを飲ませようとするとき、保護者の方が「飲んでくれるかなあ?」と不安になるとお子さまにもその気持ちが伝わります。「おくすりをきちんと飲むと病気は治る」と、まず保護者の方が自信を持ちましょう。
飲ませ方のちょっとしたコツ、おいしく飲める工夫もかかりつけ薬剤師は知っています。気軽に相談してみましょう。
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