アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
春といえばスギ・ヒノキですが、コナラや5月からイネ科などの花粉も飛びます。スギ花粉によるアレルギー性鼻炎・結膜炎を、スギ花粉症といいます。正しい診断にもとづく対策が重要ですが、子どもの花粉症の診断は、名医でも難しいことがあります。文中ではスギ花粉と書いていますが、他の花粉についても同じです。
赤ちゃんでもスギ花粉症になりますか?
0歳にはいません。1歳児は通常なりません。
春になって鼻水・くしゃみ・鼻閉、目の痒みがでました、スギ花粉症ですか?
春は多数の風邪ウイルスも流行し、似た症状が出ます。どちらも、症状の出始めの1〜2週間は区別しにくいので、花粉の飛散の増減に一致して症状の悪化と改善があれば、花粉症の可能性が高まります。
花粉症の検査は必要ですか?
この時季にはスギ花粉症の患者さんが殺到し医師は診察に忙殺されます。検査に時間と手間がかかる幼児に、今、必要かどうかは、医師と相談してください。
血液や皮膚検査でスギが陽性にでればスギ花粉症ですか?
陽性とはスギIgE抗体が検出され、スギ花粉に感作されたという状態にすぎません。スギ花粉によって症状が起きて初めてスギ花粉症です。検査が陽性でもスギ花粉症でない人の方が多いのです。
毎年スギ花粉の飛散に合わせて症状が出ますが、検査は陰性です。スギ花粉症ではないのですか?
検査が陰性でも、スギ花粉症のことがあります。
お子さんが辛そうなら、受診して薬物治療を始めてください。スギ花粉症は、アレルゲン対策が重要ですので、飛散量に合わせて対策を行うのが基本です。外出時は、できるだけマスクや花粉用メガネをしてあげてください。
親自身が花粉症でないので、花粉の飛散が分かりません。どうやって、子どもを守ったら良いですか?
晴れた日・風の強い日・雨の翌日は飛散が増えます。全国各地で花粉飛散量を測定しており、ネット上で1〜2日遅れで花粉飛散量が分かります。予報もあります、時間帯で飛散量の変化が分かる地域もあります、飛散量によって生活パターンを変えてください。
日常の家事の中で気をつけることはありますか?
家の中にも多量のスギ花粉が入るので、窓際も含めたこまめな掃除が大切です。飛散の多い日は、窓やドアは開けずに、洗濯物や布団を外に干さないでください。布団乾燥機を使用するとよいです。布団を干してしまったら、たたいても、花粉は落ちないので、掃除機で1m2あたり20秒は吸ってください。
服装に気をつけることはありますか?
外出時に毛羽立っているコート、ウール、フリースを着ることは避けてください、人間スギの木状態になります。表面がツルツルした素材のものを上に着ると良いでしょう。
帰宅時に気をつけることはありますか?
家に入る前に頭や服をはたいて、花粉を落としてください。帰宅したら、上着は部屋の中にかけずに、他の服に花粉がつかないようにしてクローゼットなどに入れてください。
服以外に帰宅してやるべきことは、ありますか?
飛散量が多い時・花粉症状が強い時は、帰宅したら手と顔を洗って、うがいをしてください。髪にも多く付くので、早めに入浴させてください。
空気清浄機はどうですか?加湿器は?
他の対策と併用しながら、空気清浄機を使用してください。乾燥すると花粉が舞い上がりやすいので、適度に加湿してください。
花粉対策をすれば、花粉症になることを防げますか?
花粉を完全に吸わないようにすることは無理です。予防についての研究成果はありませんので、神経質すぎる対応は不要です。
花粉症になることを予防できないのですか?
湿疹部から、いろいろなアレルゲンが侵入してIgE抗体が増えやすいことは分かっています。アトピー性皮膚炎の乳幼児は、適切な治療とスキンケアでバリア機能を維持することが大切です。
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