冬場を迎えると、乳幼児が下痢症を起こしやすくなります。下痢症には、細菌、ウイルス、原虫などとたくさんの原因が考えられますが、一般的には夏場に細菌性の下痢症が多く、冬場にウイルス性の下痢症が多いというのが特徴。それは、このウイルスという厄介者が寒い環境を好んで長生きするからなのです。そしてノロウイルス、ロタウイルスなどが冬から春にかけて活発に活動し、下痢症を引き起こしてしまうのです。
では、冬場に多いとされるウイルス性の下痢症は、どのような経路を経て乳幼児に感染するのでしょう。たとえば保育所・学校・家庭などでは、ヒトとヒト、ヒトと物、あるいは空気を通じて感染しています。それから上のイラストにもあるように、乳幼児などから排泄されたウイルスが汚水処理場を生きて通過し、川や海でカキなどの貝に蓄積されて、これを生で食べると下痢(食中毒)になります。
たとえば吐物やおむつの処理をした後の手で、サラダなど生で食べる料理をつくったとき、それを食べた子どもが下痢になるというケースもあります。
また、汚れたものが手すりやドアノブなどにくっついてしまい、次にそれに触れた人が感染を受けることもあります。特にトイレのドアノブなどは、トイレを使った人が手を洗う前に触れる部分になりますので、さらなるケアが必要で すね。
では、どんなことに気をつければいいのでしょう。日常生活の上での予防としては、とにかくまず手洗いをよくすること。石けんをつけて10秒以上よく洗うということと、洗った後の手は清潔なペーパータオルなどで拭いて、さらに蛇 口など手で触れた部分もよく拭いておくことが大切です。
また、吐物や便などで汚れた衣類を片づける際はビニールの手袋やマスクを使用し、汚れた衣類は他の衣類と分けて洗うことも大切。吐物などを片づけた用具は、次亜塩素酸ナトリウム(溶液)でつけ置き消毒をしてください。
「ヒト-ヒト感染」のほか、最近では「空気感染」も大きな問題のひとつ。冬には部屋を閉め切ってエアコンの暖かい空気を動かすご家庭も多いでしょうが、これも感染の原因となります。
ふん便や吐物などには大量のウイルスが存在していますが、それが床などに付着すると、冬場はすぐに乾燥します。さらにドアを閉め切っていると、それが空中に漂っていきます。微小なウイルスはなかなか落下しないので、それが口の 中に入ったり、鼻の粘膜にくっついたり、食物に付着したりして、空気感染となるわけです。
下痢症の原因はさまざまですが、乳幼児が食べ物を受け付けない、ぐったりしているなどの場合は、早めに病院へ連れていってあげてください。
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