皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
子どもの紫外線対策は、最近はかなりいきわたってきました。環境省から「紫外線環境保健マニュアル2008」が刊行され、紫外線によるさまざまな傷害とその対応が記載されています。
紫外線は、殺菌消毒や体内でカルシウム代謝に必要なビタミンD産生などへ関係していますが、浴びすぎると人体にさまざまな影響を生じます。太陽からの紫外線のUVA、UVB、UVCのうち、UVCは地球に到達する前にオゾン層などで障害され、地上に達しません。地球上に達するUVA、UVBは、長い間繰り返し浴びると、細胞のDNAを損傷し、悪性腫瘍の発生などを起こしますので、幼少児期から紫外線対策をすべきです。
ヒトの皮膚の色素細胞はメラニン色素をつくり、紫外線を吸収して保護作用をしています。メラニンが多い肌は黒くなり(サンタン)、その保護力によって紫外線に対しても強いのですが、色白の肌は紫外線によって赤くなり、日焼け(サンバーン)を起こします。
紫外線による急性の反応として、この日焼け、紫外線角膜炎、免疫機能の低下などですが、慢性的な曝露では皮膚にはしわ、しみ、良性・悪性の腫瘍、眼の白内障などが生じます。
日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会は、保育園・幼稚園・学校生活における紫外線対策に関する統一見解を作成して、子どものころからの適切な紫外線対策を示しています。それを紹介してみましょう。
*紫外線は1日では10〜14時頃に線量が強くなります。夏季の屋外活動はできるだけ朝夕に行い、日中は戸外を避けましょう。1年の中では4月から9月に紫外線量が多く、皮膚はメラニン産生が盛んで、紫外線に対する抵抗力が強くなるため、運動会など、長時間、紫外線を浴びる行事は春よりも秋が良いでしょう。日陰は日向の約50%に紫外線が減るため、テントやパラソルなどを勧めます。曇りでも晴天の80%以上の紫外線が通過してく るため注意が必要です。
*帽子のつばが7センチあれば約60%の紫外線をカットできるので、なるべく被るようにしましょう。体を覆う部分の多い服のほうが紫外線から肌を守ることができます。
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