歯 子どもの病気 教えて!ドクター
お子さんの歯並びは、むし歯と並ぶ心配事のひとつですね。
歯の生える場所が足りない、上下の歯が逆にかみ合わさっているなどでおかしいと気づいたり、「両親ともに歯並びが悪いので…」と将来を気にする方が多いようです。
いずれそろう永久歯で、きれいなかみ合わせになるようにと願うママ・パパへ、ぜひ知ってほしい歯並びのお話です。
●歯並びの良し悪しはいつ頃わかるの?
歯並びは、骨や歯の大きさ、形など遺伝的な要素と、どのような使い方をしてきたかの機能的な要素が関わってできあがります。
確実な診断ができるのは永久歯が生え始める6歳頃からですが、乳歯が奥までそろう2歳半から3歳頃には歯並びの傾向が見えてきます。
●乳歯ではきれいに並んでいるけど!?
歯並びの問題で多く見られるのは凸凹に並ぶ「叢生」で、歯が生えるスペースが足りないときの不正咬合です。
乳歯列では隙間があるのが理想的。大きなサイズの永久歯が生えかわる余裕があることを示しています。
お子さんの乳歯が隙間なくきっちり並んでいたら、実は将来歯並びに不安ありです。
●歯並びの治療はいつからできるの?
かつては、歯並びは永久歯に生え変わってから治療するものとされていました。
でも現在は、幼い頃から機能的に改善することで顎の骨や筋肉がより健全に成長し、その結果歯並びもよい方向へ導かれると考えられています。
3歳頃から使えるトレーナーの装置(写真の上)をはじめ、可撤式のプレート装置、咀嚼トレーニング用ガム(写真の下)などを利用して、歯並びを改善する手助けが可能となっています。
●家庭で気をつけることは?
歯並びに影響するお口の機能には、咀嚼と呼吸があります。
まず、ご家庭ではよく噛んで食べることを意識しましょう。
よく噛むためには、離乳期にしっかり噛む練習ができていることがポイントです。育児書にある離乳食の時期は参考程度として、お子さんがモグモグする様子を観察しながら、あわてずに食事の形状をステップアップしましょう。
そして、食事中に水や牛乳などの水分で流し込まないよう注意してください。奥歯でよくすりつぶさないと食べにくい、繊維の多い食品(野菜や厚みのあるお肉)をゆっくりよく噛んで食べることができれば上等です。
また、歯並びだけでなく顔立ちにも大きく影響するのが呼吸です。
アレルギー性の鼻炎や扁桃腺が腫れやすいお子さんは、口での呼吸が習慣になりがちです。歯並びをよい方向へ導くために、鼻呼吸がしっかりできるようにしましょう。
●指しゃぶりはしてもいいの?
指しゃぶりは、ママのお腹の中の赤ちゃんでもしている、お子さんにとってはごく自然な行為です。ママのおっぱいを口にする安心感や満足感に通じ、成長してからもお子さんが不安なときや退屈なときに行うことが多いようです。
通常は2歳頃から徐々になくなり、寝付くときだけなど短時間であれば歯並びへの影響は心配ありません。
しかし、やめずに毎日長時間行い続けると、指が入る形の歯並びになったり、骨の成長にまで影響することがあります。
3歳を過ぎて指に吸いダコができるほど長時間行っているなら、お子さんとともに協力してやめるチャレンジをしましょう。
そのほか、歯並びに影響する癖としては、うつぶせ寝や頬杖、偏咀嚼などがあります。これらの癖は歯並びと顔の非対称を招くことがありますので、注意しましょう。
ハミガキと歯並びについては、漠然と「これでいいのか?」とお悩みになることが多いものです。どんなに頑張ってハミガキしても防げないむし歯もありますし、歯並びについては良し悪しを判断しにくいものです。
ママ・パパとともにお子さんの成長を見守り、適切な時期にアドバイスや治療を提案してもらえるサポーターがいると心強いですね。
大切な歯を守り、よりよい歯並びを得られるように、ぜひお子さんのかかりつけ歯科医院をお持ちください。
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