発達障がい 子どもの病気 教えて!ドクター
最近、よく「発達しょうがい」って言葉を聞きます。発達しょうがいって障害のある子のこと?自閉症とどう違うの?パパやママは混乱しますよね。
ここでは、できるだけ分かりやすく解説してみます。
産まれてきた赤ちゃんは、どんどん発達します。首が座って、お座りができるようになり、つかまり立ち、歩くようになってきたら可愛さ倍増です。もちろん、体を動かすことだけが発達ではありません。よーく見てください。産まれたときの笑顔と今の笑顔、何か違いませんか? 産まれてきたときの表情はパターン的。いつも同じ笑顔でした。大きくなってからの笑顔は人や場面によって使いわけているでしょう。これは、コミュニケーションを取ることができるようになってきたからです。パパやママとのつながりをしっかり感じるようになったのですね。パパやママが何を思ってるのかな? って想像する力も付いてきます。こうやって他の人と関わることで、社会性がどんどん成長していくのです。
発達しょうがいって、こういった社会性の成長が様々な原因で遅れることを言うのです。良くある症状は、言葉が出なかったり(コミュニケーション能力の成長が遅い)、思い通りにならないときに大変な声で泣いたり大暴れしたり(想像力の成長が遅いため、怖い)、保育所や幼稚園で、他の子のように一列に並べなかったり(社会性の発達の遅れ)するようなことです。
コミュニケーションと、想像力、社会性の3つに問題が出る場合、発達しょうがいの中でも特別に自閉症スペクトラムと呼んでいます。幼児までのお子さんで問題になるのは、多くはこの自閉症スペクトラムの症状です。
さて、ここまで読んで、「うちの子も発達しょうがいだ! 自閉症に違いない。」って思ってしまうパパ、ママも多いと思います。はい、そうです。実は小さいお子さんは、成長の過程で必ず発達しょうがいの症状が出ます。乳幼児はコミュニケーションも、想像力も、もちろん社会性も発達途上です。ある程度発達しょうがいの症状が出て当然なのです。
だけど、中にはいつになっても言葉が出ないお子さんもいます。こだわりが強すぎて、パパやママをとっても困らせるお子さん、保育所で他の子とぜんぜん遊べないお子さんなど、とてもはっきりした症状が出る子もいます。
よく発達しょうがいは色にたとえられます。下図を見てください。色がごく薄いお子さんから、非常に濃いお子さんまで様々です。ですので、誰もが発達しょうがいであって当然です。その中で、ある程度以上、色が濃いお子さんだけ注意が必要なのです。
じゃあ、どのようなときに発達しょうがいを疑ってかかりつけの先生や地域の発達支援に相談に行けば良いのでしょうか? 上に書いたように、発達しょうがいは、ここから先は治療が必要だ! と線引きすることはできません。
発達しょうがいで相談するポイントは、パパやママがどのくらい困っているか? です。また、もっと大切なのは、発達しょうがいがある子どもはとっても困っています。そのお子さんの視点で見ることなのです。怒られても怒られても同じいたずらをしてしまう、というのは、パパやママも困るでしょうけど、お子さんはもっと困っているってことを分かってあげてください。
最後に発達しょうがいがあっても子どもを“治療”する必要はありません。発達しょうがいは特性です。“治療”して無理やり変えるなんておかしいでしょう。それよりも、家庭内や保育所、幼稚園などの集団の場で、できるだけお子さんが困らない、ストレスを感じない良い育ちができるような手助けをしてあげることが大切なのです。
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