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乳がん検診 ―子育て中のママ・パパに知ってもらいたいお乳の健康のこと―

おっぱい ママの病気・健康 教えて!ドクター

(2013年 秋号 掲載)

検診とは?

「検診を受けましょう」という掛け声はよく耳にしますが、検診て何なのでしょうか? 検診には2種類あります。一つは集団検診、もう一つは個人で受ける人間ドックでの検診です。両者は目的が違います。

集団検診は、行政が予算を投じる価値のあると考えた疾患に対して行われます。すなわち、頻度が高くて早期発見しやすいものに対して、受診者全体の健康被害や医療費を最小にすることを目的としています。乳がんは、集団検診に含まれていますので、罹患頻度が高く、早期発見しやすい病気ということが言えます。

一方、個人で受ける検診は、罹患頻度の低い疾患や早期発見が難しいものも含み、個人が自身に対して投資するもので、個人の健康利益が最大になることを目的としている検診です。

検診を受ける時期は?

「検診」は健康診断の省略である「健診」とも書きます。要するに、健康な時にこそ受けるべきものと思ってください。乳房で言えば、しこりも何も触れない時期に、検診は受けるべきなのです。

ということは、
①普段から健康であるかどうか自分でも確認する習慣を身につけるということ。
②集団検診のお知らせには応じること。
③集団検診の対象者に該当しない場合でも、疾患の基礎知識を持ち、個人の検診を受けられることも知っておくこと。
④症状がある場合は、検診ではなく病院や医院を受診すること。
以上の4つを知っておいていただきたいと思います。

乳がんとは?

では、乳がんとはどんな病気なのでしょうか? 40代にピークがあり、20代から80代まで誰でもなる可能性がある病気です。日本人女性は16人に1人、欧米人女性は8人に1人の割合で罹患し、男性ですらその頻度は低いものの患うことがあります。

乳汁を作る小葉という部分や、乳汁を運ぶ管である乳管の細胞が突然分裂を始めて、その分裂が止まらなくなる病気です。遺伝性のものは全体の5〜10%と言われており、その他は原因不明です。

がん細胞が発生してからゆっくり乳管の中で増殖し、しこりを作るまでには何年もかかります。しかしそのままにしていると脇などのリンパ節を経由して他の臓器に転移し、その臓器機能が奪われると致命的になる病気です。

早期発見すれば少ない労で助かりやすく、進行していても多くの労力をかければ治る人は増えてきていますが、やはり進行している人ほど治りにくい人の割合は増していきます。他のがんより治癒率は高いですが、女性がかかるがんで一番多いがんであり、若い世代もかかりうる病気ですので、この治癒率を更に向上させることが、社会の課題となっています。

齊藤光江先生

順天堂大学乳腺内分泌外科 教授。外科学会・乳癌学会の専門医。1984年千葉大卒後、東大分院外科に入局、米国MDAnderson癌センター留学を経て癌研乳腺外科で修練、東大内分泌外科の講師を経て、順天堂大学乳腺科に赴任し2012年教授に就任。国際支持療法学会制吐剤ガイドライン作成委員や日本癌学会評議員を務める。若年者乳癌の会ひろば創始、高校でのがん啓発活動等もライフワークとする。

齊藤光江

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