皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター
生後2ヵ月からワクチンデビューになり、赤ちゃんは生後早期から外出の機会が増えるようになりました。1998年の母子手帳から日光浴が消え外気浴になっています。
外気浴とは、太陽の光(紫外線)を浴びる事ではなく、家の外の空気に触れる事です。
赤ちゃんは外気に触れる事で、気温の変化に慣れ、皮膚の新陳代謝を高める事ができます。
しかし、家の外には太陽の光が降り注いでいます。太陽の光には眼に見える可視光線と、眼に見えない赤外線、紫外線があります。地表に降り注ぐ紫外線にはA波(UVA)、B波(UVB)があり、A波、B波とも浴び過ぎると、中年~老年になり皮膚や、眼に障害を起こします。中年期以後の若々しい肌の為には、紫外線防御対策は赤ちゃんの時から大切です。
紫外線による体への影響には急性障害と、慢性障害があります。
①赤い日焼けと、黒くなる日焼け
真夏の紫外線を20分浴びると数時間後から皮膚が赤くなるUVBによる紅班反応があります。赤くなった皮膚は3日目ごろからメラニン色素が沈着して黒くなるUVBによる黒化反応があります。
②眼にも注意
紫外線角膜炎と言います。UVBは角膜で吸収されるので角膜の急性炎症を起こします。特にサングラスをしないで晴れた日にスキーをすると8~10時間後に眼が痛くなる雪眼があります。紫外線はスキー場だけでなく日常でも注意が必要です。子供のころから紫外線を浴び過ぎると、老年になり白内障を起こしやすいとも言われています。
③風邪をひきやすくなる
紫外線のUVBの作用で、皮膚の免疫に関する細胞が働かなくなり、免疫低下になります。日焼けの後に熱が出たり、口唇ヘルペスになるのも、紫外線の作用です。
紫外線は20年後、30年後、老年になった時にも影響します。
①皮膚のシワ
UVAは皮膚に作用して活性酸素を産生して、皮膚のコラーゲン、エラスチン線維を酸化します。活性酸素は肌の老化を促進しシワの原因になります。
②皮膚のシミ
UVAはメラニン色素を濃くしてシミの原因になります。紫外線を浴びた皮膚は赤ちゃん、子どもの時は数ヵ月後に元の皮膚に戻りますが、実は皮膚の細胞の遺伝子に傷がつきます。何度も日焼けをして、遺伝子に傷が付くと、遺伝子修復が間に合わず遺伝子変化が起こります。20歳ごろから目立つシミ、日光黒子は小児期からの日焼けが原因の光老化です。
③皮膚ガン
紫外線を長年浴び続けると、60~70歳以後から前がん状態の日光角化症が現れます。主に顔の部分ですが、茶色、黒いシミが盛り上がり、ざらざらしてきます。紫外線により、ガン抑制機能がなくなり、日光角化症から皮膚ガンになることもあります。
紫外線の障害がお分かりになりましたか? 日光を浴びることは健康に良いことではありません。
過度に神経質になることはありませんが、紫外線の影響をキチンと理解して、日常生活の中で紫外線を無防備に浴びることは避けましょう。
紫外線は晴れの日だけではありません。曇りの日も、日陰でもガラス越しの室内でも影響があります。更に紫外線は上からではなく、下からもあらゆる角度から届きますので注意しましょう。
①紫外線の多い時期の外出は避ける
紫外線を長年浴び続けると、60~70歳以後から前がん状態の日光角化症が現れます。主に顔の部分ですが、茶色、黒いシミが盛り上がり、ざらざらしてきます。紫外線により、ガン抑制機能がなくなり、日光角化症から皮膚ガンになることもあります。
②肌、眼を紫外線から守る
外出しなければならない時は、首まで隠れる7センチ以上の、つばのある帽子。UV効果のある長袖、長ズボンを。ベビーカーには日よけカバー、足にもUVカットカバーを忘れずに。
お母さんは大きめの濃すぎないサングラスも必要ですね。濃いサングラスは瞳孔が開いて光が眼に入り、眼に良くありません。
③サンスクリーン剤使用
顔手足など、衣類などでカバーできない部分は日焼け止めを塗り確実に日焼けを防ぎましょう。サンスクリーン剤は赤ちゃんには日常なら紫外線吸収剤のない、SPF20程度、PA++で良いでしょう。プール、海、戸外に長くいる時は、汗や汚れを落としてから2~3時間ごとに塗り直しましょう。
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