B型肝炎 予防接種 教えて!ドクター
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が持続すると、肝硬変や肝がんになります。肝硬変や肝がんは大人の病気と思っている方が多いと思いますが、大人でB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝がんで苦しんでおられる方たちの多くは、子どもの時、それも3 歳までに感染したためです。
日本ではそのほとんどが、B型肝炎ウイルスを持っている(キャリア)お母さんから赤ちゃんへの母子垂直感染(分娩時に感染)によるものだったので、1985年よりキャリアのお母さんから生まれた子どもたちだけに限定して予防をしてきました。これによって、母子感染によるキャリアは減少していますが、父子感染などの家族内感染は減少していません。
また感染経路がわからない場合もあり、保育園などでの感染もあります。3歳までに集団生活にはいるお子さんたちが増えています。子どもたちがB型肝炎ウイルスに感染しても自覚症状はほとんどありません。
集団生活に入る前にB型肝炎ワクチンを受けましょう。
さらに、緑の線で示したように、私たち日本が所属する西太平洋地域では、キャリアと感染者の率が他の地域に比べて高いので、特にWHOがキャンペーンをはって、今では90%以上の子どもたちにワクチンが接種されています。
日本は世界基準の予防接種(※Global Immunization)を行っていない数少ない国になってしまいました。
※B型肝炎ウイルス撲滅のための世界戦略としての定期接種化
一番強い感染源はキャリアの血液や精液などです。
しかし、それ以外にも唾液、涙、汗、鼻水、尿にも存在することがあります。相撲部やレスリング部での集団感染、その他にかみつきなどで感染したという報告があります。
私たちの皮膚には見えない傷があって、そこから感染すると考えられます。
子どもが感染すると、大人よりキャリアになりやすいので、なるべく早い時期に接種しましょう。
できれば、他のワクチンと一緒に生後2ヵ月からがお勧めです。不活化ワクチンなので、3回の接種が必要です。4週間間隔で2回接種し、さらに20〜24週経過した後に3回目を打ちましょう。
この時期を逃したごきょうだいたちは、「思い立ったら吉日!」です。今すぐにかかりつけの小児科医に打ってもらいましょう。
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