アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター
小児の気管支喘息(小児喘息)について、Q&Aで簡単にお話しします。関心のあるところからお読みください。その前に、ゼーゼー・ヒューヒューすることを、喘鳴と言います。
喘息は、「繰り返し、気管支が細くなり、息を吐く時に喘鳴が出て苦しくなる」病気です。たまにある咳喘息は「8週間以上続く咳で、喘鳴がない」病気です。
しかし、乳幼児では喘鳴を起こす病気と咳が長く続く病気は、他にもいっぱいあります。病気で治療が違うので、診断を正しくする必要があります。
残念ながら、検査だけでは喘息と診断できません。喘息の可能性、他の病気を見つけること、薬の選択、生活上で気をつける事、副作用のチェックなどの目的で、タイミングを見ながら検査を行っていきます。
喘鳴があって、気管支を拡げる薬を吸入して、効果があれば、喘息の可能性が高くなります。乳幼児は泣きがちで、深呼吸が難しいので、聴診は苦労します。また、夜に症状があっても、昼間にない時には、聴診だけで診断できません。
喘息の診断と重さ、発作の程度や誘因、治療方針、治療効果などを判断する材料は、問診から多く得られます。
小学校に入る頃には良くなるタイプ、治療をしないと悪化するタイプなど、いくつかありますが、初めから区別することは困難なので、症状によって治療していきます。
喘息の気管支には、慢性の炎症があります。毎月のように喘鳴や発作が起きる、カゼをひいてないのに運動・大笑い・泣いたりすると喘鳴やせき込む場合には、炎症に対する日常的な治療が必要です。
喘息の気管支は炎症を起こしているので、症状が繰り返す子は吸入ステロイドや抗ロイコトリエン剤(オノン・プランルカスト・シングレア・キプレス)などを、日常的に使用し炎症を抑え予防します。
発作が起きた時に気管支を拡げる薬を飲んだり吸ったりします。
ホクナリンテープは、気管支を拡げる薬ですが、発作には使用しません。ゆっくり長く効くので、発作が起こりそうな時に貼ります。しばしば使用する時は抗炎症剤で予防することが必要です。
発作の程度には大・中・小とあります。
「息苦しくて暴れる。苦しそうな表情で、あえいで、うめき声を上げる。言葉が途切れがちで、返事もできない。歩行できない。全く眠れない」などの症状がある時は、大発作の可能性があります、受診を優先しましょう。「顔色やくちびるの色が青紫(チアノーゼ)」の時は、救急車を呼びましょう。
「咳が強い。横にすると苦しがる。機嫌が悪く飲みが悪くなる。苦しさで寝たりおきたり」などの症状は、中発作の可能性があります。発作用の薬があれば使用し、30分しても改善しない場合は受診を考えましょう。
「喘鳴はあるが睡眠や生活は普通」なら、小発作と思われます。発作用の薬があれば使用してください。悪化しなければ翌日の受診でよいと思います。
水泳は喘息発作を起こしにくい代表的スポーツですが、予防効果はありません。他のスポーツでもかまいません。運動すると症状がでる場合には、治療が必要です。
健康な子と同じことができることが治療の目標の一つです。
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