歯 子どもの病気 教えて!ドクター
夢中になっておっぱいを飲んでいる赤ちゃん。口のまわりを汚して、美味しそうに食べている子ども。お母さんもお父さんも、みんな笑顔になります。
美味しく食べるには、健康な歯と口を上手に使うことが大切です。お母さんが愛情こめて作った食事、良く噛んで味わって食べてほしいものです。体の栄養はもちろん、きっと心の栄養にもなるはずです。
お子さんの口の中をのぞいて、歯が何本生えているか数えてみましょう。乳歯は2歳半から3歳頃までに、20本が生えそろいます。上・下それぞれ、前歯6本と奥歯(臼歯)4本の10本ずつです。前歯と奥歯、歯の形も違うことに気がつきましたか? 前歯はものをかみ切るのに都合のよい形をしていま す。ものをすりつぶすのは奥歯の役割です。
1歳を過ぎたばかりだと、どんな離乳食がいいのでしょう。前歯が上下4本ずつ生えていて、奥歯はやっと生えはじめる頃です。まだ奥歯が生えていないので、食べやすい固さは歯ぐきですりつぶせるくらいです。
離乳食をすすめる時、歯の生え方を見ることも大切です。歯の生える時期はお子さんによってだいぶ違うからです。離乳食の心配、口の中をちょっとのぞいてみると納得かもしれません。
乳歯が生えそろったお兄さんやお姉さんも、きちんと治していないむし歯や噛み合わせが理由で、食べにくそうにしていることがあります。健康な歯としっかりした噛み合わせは、食べる基本です。
赤ちゃんはおなかの中にいる時から、生まれてすぐにおっぱいが飲めるよう、練習をしています。超音波写真で、3ヵ月ごろには指をしゃぶっている姿を見ることができます。生まれてきたばかりの赤ちゃんがおっぱいを飲むのは、お腹がすいているからではなく、反射によるものです。寝ている赤ちゃんの口に指を触れるとすぐ、指をしゃぶり始めることからもわかります。
3ヵ月頃になると、疲れるまで飲んでいたのが、自分の意思で飲み始めるようになります。おっぱいを飲む様子をよく見てみましょう。愛おしくなります。
歯が萌えてくると離乳食が始まり、前歯が揃うとかじり食べができるようになります。奥歯が生えると、噛んですりつぶして(咀嚼と言います)食べられるようになります。食べられる種類も増え、スプーンや箸も使えるようになります。みんなと一緒に食べる楽しさを知り、食べるマナーも身につきま す。
食べる機能がダイナミックに育つこの時期、お子さんが大人になったとき、美味しく、楽しく食べられる基本が育ちます。大切にしたいものです。
お母さんの心配事の一つの指しゃぶり、大切な役割も持っています。よく噛んで飲み込むための準備行動です。6ヵ月ぐらいの赤ちゃんは、なんでも口へ持って行ってしゃぶります。手で食べ物をつかんで口に入れる練習です。
指しゃぶりはおもちゃなめなどと一緒で、見て触って、しゃぶってという大事な行動です。歯並びへの影響は3歳頃までにやめられれば、心配しなくて大丈夫です。
一方、おしゃぶりは、歯や口の育ちに良い影響はそれほどありません。むしろ、電車の中で泣いている時に落ち着かせたりするなど、時々、上手に活用する育児アイテムと考える方がよいでしょう。
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