旅行の計画・準備をしているときに、子どもたちが旅行中に病気になるということまでは、なかなか気が回らないでしょう。
しかし、実際には意外と遭遇する状況なのです。せっかくの旅行を台無しにしないためにも、旅行前の準備は欠かせません。
旅行中に心配なのは怪我や病気だけではないでしょうが、病気の予防、とくに旅の準備としての予防接種、旅行中の簡単な健康管理を中心に紹介します。
まずは、旅の前のお話です。
月齢・年齢に適した定期接種・任意接種とともに、旅行関連の病気に詳しいトラベル・クリニック※などを受診して、最適な予防接種や予防薬、そして、発病の際の対処法などについて診察を受けましょう。
おとなも同様に、準備が必要なことがあります。ワクチンの選択は、渡航先一覧表だけでは結論づけにくいので、専門の先生に個別にみてもらうのが良いでしょう。目的地の風土病のほか、子どもたちの定期接種などは推奨どおりに終えておきましょう。母子手帳を持参し、診察を受ければ、綿密にワクチンの予定を組んでもらえます。
※トラベルクリニックは「日本渡航医学会」のHPでも 調べることができます。
定期接種以外にも、その土地によって注意したいものがあります。
南アジア、東南アジアでは、インフルエンザや日本脳炎は一年中かかる可能性があります。
状況によっては、バリのように、ここ数年、狂犬病が問題になっているリゾートもあります。人混みのあるところでは、麻疹のリスクもあります。
おとなでも、予防接種は大切で、子どもの頃うけた予防接種のほとんどは、有効期間を過ぎている可能性が高いです。
また、ワクチンは、定期接種以外の接種時期も選択可能ということや、輸入ワクチンが重要になる時もあることを念頭に置きたいです(表)。
水や食べ物からうつる、A型肝炎や腸チフスは意外と身近な病気であることも知っておきましょう。
水遊びは事故だけでなく、細菌や寄生虫感染の場でもあります。人気旅行先であるハワイの河川の一部ではレプトスピラという感染が知られており、看板が出ていることがあります。
小さな子どもたちは、感染症が悪化することがあるので、おとなとは事情が異なることがあります。新生児を連れての旅行は、目的地によっては、延期したほうが良いときもあります。
また、妊娠中には避けたい地域もあります。インターネットや書籍で調べてもわかりにくいことがありますので、このようなときも、トラベル・クリニックを活用するタイミングです。
ワクチン以外にも、インフルエンザなど、一部の感染症は手洗いやアルコールなどの手指消毒スプレーでも、感染の確率を下げることができます。
これは、インフルエンザ以外にも、風邪、食中毒などの予防に有効です。 予防接種はとても効果的ですが、手指消毒、食べ物にしっかり火が通っているか、などの日頃の基本的な衛生管理に注意することがカギとなります。最近では、ベタつきのない、携帯性に優れたスプレーも出てきているので便利です。
さらに、お昼寝や現地の時間で生活をしたり、充分な休息をとって、無理のない体調管理を心得ることも重要です。
暖かい国への旅行なら、日焼けや熱射病対策などもお忘れなく。それでも、現地で体調不良と思われる場合は、病院を受診するのが得策です。そのためにも、海外旅行保険への加入は欠かせません。
子どもたちが旅行中や帰国後に発病するもので一般的なのは、下痢、皮膚病、発熱(とくに、マラリアには要注意)と風邪や肺炎などが挙げられます。
ここで紹介した内容以外にも水難事故、交通事故、乗り物酔い、飛行機の離着陸での耳の痛みなどもあります。
予防接種だけでは万全ではありませんので、旅行前にかかりつけの先生やトラベルクリニックに相談してみましょう。
また、帰国後に体調不良になった場合は、思ってもいない感染症の可能性があるため、検疫所に立ち寄るか、帰宅後でしたら、感染症を得意とする医療機関を受診されることをおすすめします。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう