事故・ケガ 子どもの病気 教えて!ドクター
食生活が豊かになり、栄養も十分摂取している日本人ですが、ひとつだけ必要量に達していないものがあります。それが骨を作ることで知られる「カルシウム」です。
カルシウムとは、人間の体内に最も多く含まれているミネラル分で、体重の1〜2%を占めます。そのうち99%が骨や歯に存在。骨や歯を固く強くする=骨力強化に使われています。残りの1%は血液や細胞に存在。筋肉の収縮を助ける、ホルモンの分泌を円滑にするなどの役割を果たしています。
骨力を強化するカルシウムは成長期の子どもに絶対欠かせないもの。骨の成長は赤ちゃんの頃から始まり、10〜20代までに生涯を支える骨の基礎を作り上げるからです。また骨はカルシウムだけでなく、コラーゲン、リン、たんぱく質からも構成されています。そのためカルシウムをはじめ栄養が足りないと骨が正常に成長できず、発達に影響を及ぼしたり、ちょっとしたことで骨折したりする場合も。
残念ながら、現在子どもの骨力低下は深刻化。食生活の乱れ、栄養の偏り、運動不足などさまざまな因果関係がありますが、各都道府県が行った子どもの骨に関する調査では1980年代から骨折率が増加。2000年代になると80年代の2倍にも達しているのです。
0〜20代で成長のピークを迎える骨ですが、そこで活動が止まる訳ではありません。
骨は古くなった骨を溶かし、新しく強い骨に生まれ変わる再生を繰り返します。この再生にもカルシウムが必要ですが、足りなければ骨は自らを溶かしてカルシウムを補給。これではせっかくの再生作業が骨力を低下させることになってしまいます。
さて、骨力はママにとっても大切です。ママは妊娠や授乳で多くのカルシウムを使います。当然、足りなければ骨のカルシウムを溶かすため骨力は低下。
この骨力低下は多くのママが悩む肩こりや腰痛、膝の痛みの原因のひとつでもあり、将来的には骨がスカスカになる骨粗鬆症も心配されます。
カルシウム不足に陥らないためには、やはり毎日の食事でしっかり摂取することがいちばん。1日700mgから800mgは摂取したいところです。
カルシウムは腸から吸収されるのですが、吸収率が悪いという欠点があるので、なるべく吸収率の高い食品を選ぶようにしましょう。
吸収率の高い食品は、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品で約50%、小魚や干しエビが約30%、野菜が約20%です。
また、いろいろな食品に含まれるカルシウムをバランス良く摂取する、カルシウムの吸収を助ける栄養が含まれた食品を組み合わせることも不可欠。吸収サポートにはたんぱく質、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンC、マグネシウムが適しています。
骨力強化には、適度な運動で骨を刺激し、活性化させることも効果的。骨の形成を促す成長ホルモンは寝ている間に分泌されるので十分な睡眠も必要です。さあ、しっかり食べて、動いて、眠って、骨力をアップさせましょう。
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