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漢方では病気をどうとらえるのか

健診・かかり方 子どもの病気 教えて!ドクター

(2011年 春号 掲載)

漢方との出会い

私と漢方の出会いをお話しましょう。医学部を卒業して小児科の研修医となった私は、救急外来を担当することになりました。大学病院の救急外来といったって、夜くるのは風邪で熱をだした、咳がでるという患者ばかりでした。上の先生から風邪の時はこうするんだ、と教えてもらった処方は「咳止め、鼻止め、痛み止めand/or解熱剤and/or抗生剤」でした。僕は心の底からがっかりしました。あとは体重を計算して処方するだけなのです。

「これなら自動販売機でいいじゃないですか!」と僕は先輩医師にくってかかりましたが、相手にしてもらえませんでした。本当は咳だっていろいろあります。鼻水だって色や粘稠度、いろいろです.なのに薬は咳止め、鼻水止めが中心だなんて・・・。

そんな時に僕は漢方と出逢いました。漢方を学ぶと、同じ病気を時間軸で区別して(六病位といいます)薬を選んだり、体力のある人(実証といいます)、ない人(虚証といいます)で薬を分けたり、気・血・水という概念で(血と書いても血液の意味だけではありませんが)病気を見分けたりすることができるのです。

私にとっては、区別ができるということが知性の定義でもあります。風邪に関しては、よっぽど東洋医学の方が知性的ではありませんか。僕は次第に漢方の魅力に取り付かれていきました。

漢方ならでは、の薬

漢方を学んでいくと、これまで治療方法を教えてもらわなかった病的状態のお子さんにも対応できるようになりました。例えば、「夜泣きの薬」があります。抑肝散や甘麥大棗湯といった処方がそうです。

「生理痛」にも使われますが、痛み止めとしての芍薬甘草湯。よく薬局でこむらがえりの薬と宣伝が貼ってあるのがそうです。

「ウイルス性の扁桃腺炎」に小柴胡湯加桔梗石膏。喉の痛みもよく押さえてくれます。

と、まだまだいろいろな用法があって書ききれません。気をつけたいのは、同じ病気でも、診察によって選ぶ薬が違ったり、西洋医学的には全く違う病気でも診察によっては同じ薬を使ったりします。ですので、あまり安易にこの病気の時にはこの漢方を、と決めつけられません。

薬が飲みにくいときは

しかし、せっかく漢方薬をもらっても子どもには飲めないのではないか、という疑問もあるかもしれません。1歳までのお子さんはけっこう飲める子どももいるのですが、3歳以降で甘いものになれた頃から薬を飲んでくれないお子さんもいます。オブラート、カプセルにいれる方法もありますが、ココア、クリームに混ぜてもいいのです。ジャムやシャーベット、ヨーグルトもOKです。1歳すぎなら蜂蜜でも良いでしょう。咳止め効果も期待できます。桂枝(≒シナモン)が入っているとリンゴジュースに味が合います。さらに!みそ汁に混ぜるという裏技もあります。

西洋薬との違い

西洋薬との違いは病気を診断するための考える筋道がまったく違うということです。西洋医学では病気の場所や原因が判明しても治療方法がないという場合もあります。漢方の場合は症状に対する診断さえつけば自動的に処方が決まるという側面があります。

漢方は長く飲むもの、といったイメージもありますが、漢方処方にも種類があり、

上品 一生飲み続けていいもの

中品 慢性病を治療するもの

下品 急性病を治療するもの

があります。下品薬はすぐに効果性を発揮しますが長く飲み続けていると害を及ぼします。長く飲むだけが漢方ではないのです。

漢方薬と西洋薬、どちらが良い、悪いではなく、お互いの得意分野を活かして患者にとって効果性の高い治療を提供していくことが大切だと思っています。

社団法人日本東洋医学会のHPから漢方専門医の検索ができます。 http://www.jsom.or.jp/ ※日本東洋医学会は厚生労働省による漢方専門医認定機関として許可をうけています。

 

杉原桂先生

ユアクリニックお茶の水院長。昭和大学医学部卒業。昭和大学付属病院、県立千葉こども病院、町田市民病院、県立八重山病院、国立病院機構相模原病院、公立昭和病院を経て、多摩ガーデンクリニック院長へ。日本小児学会専門医、日本小児東洋医学会評議員、日本小児科医会子どもの心相談医、NLPマスタープラクティショナー、医学博士。

杉原桂

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