発熱、かぜ 子どもの病気 教えて!ドクター
風邪と人間との戦い…小説ならおもしろいのですが、生まれて間もない赤ちゃんが風邪と戦うなんて、もうどうしてあげたらいいのか? 心配でたまらないのは当然です。
そんな時に慌てなくてすむように、ちょんぼし(少し)勉強しましょう!
人間に風邪症状(発熱、咳、鼻水など)を起こすウイルスや細菌は200種類以上あり、そのうちのほとんど(95%以上)はウイルスだと言われています。しかし、風邪は万病の元であり、結果的に命に関わるような重症感染症であっても、初期は軽い症状であることがほとんどです。
ご存じのようにインフルエンザに対してはタミフルなどの抗インフルエンザ薬があり、それなりの効果が期待できますが、その他のほとんどのウイルスに対して有効な薬はありません。
細菌感染症には抗菌薬(抗生物質)が有効ですが、正確な診断と正しい使用がなされなければ、全く意味がありません。
すなわち、感染症に対してあらかじめワクチンを接種することの方がより有効であり、定期接種(BCG、DPT、ポリオ、MR、日本脳炎)だけじゃなく、可能な限り早い時期に任意接種(B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌、水痘(みずぼうそう)、おたふく風邪、インフルエンザなど)を受けることをお薦めします。
私たちの日々の生活は警察・自衛隊などによって守られているように、人間の体も免疫機構によりウイルスや細菌など外敵の侵略を防いでいます。風邪という外敵の侵入に際して、わざと体温を上げ(発熱)、咳や鼻水という防衛反応で、戦いを有利に進めようとしているのです。
通常は2〜3日で人間の方が勝利し、風邪は自然に治っていきます。ただし、生まれて間もなくは免疫機構が未熟なので、健康な大人ほど万全ではありません。それを補うものとして、母親から妊娠後期に胎盤を通じ、出産後は母乳(特に初乳)を通じて、免疫の手助けとなる贈り物をもらいます。そういう意味で、満期産、母乳育児はとっても大切なんですね。それでも、生後2〜3ヵ月から、母親からもらった贈り物は少なくなり、生後6ヵ月以降はなくなってしまうかもしれないのです。
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